がんばれ!ベアーズ大旋風 -日本遠征-

がんばれ!ベアーズ大旋風 -日本遠征

『がんばれ!ベアーズ大旋風 -日本遠征』（原題：The Bad News Bears Go to Japan）は、1978年に公開されたアメリカ映画であり、『がんばれ!ベアーズ』シリーズの第3作にあたります。今作では、ベアーズのメンバーが日本の少年野球チームと親善試合を行うために来日するというストーリーが展開されます。

作品の背景

シリーズ1作目の監督であり、今作ではプロデューサーを務めたマイケル・リッチーは、過去に何度も日本を訪れたことがあり、日本文化への造詣が深い人物でした。1作目が日本でヒットしたこともあり、商業的な観点から日本遠征が実現しました。東映の岡田茂社長がパラマウント・ピクチャーズとの交渉を重ね、日本での製作を受注し、全編の90%が日本国内で撮影されました。

日本での撮影

2ヶ月に及ぶ日本ロケでは、平安神宮、浅草寺、花園神社などの有名な神社仏閣が登場しました。しかし、トニー・カーティスが日本旅館に靴のまま入ろうとしたり、座敷にベッドがないと騒いだり、鴨居に頭をぶつけるシーンなど、文化的な誤解やステレオタイプに基づく描写が目立ちました。ステーキを食べるシーンで若山富三郎に無意味にテーブルの花を切らせて「ハラキリ」という言葉を引き出したり、「ゲイシャ」というセリフを挿入したりするなど、時代錯誤な描写が多く、批判を浴びました。

制作体制

撮影隊のスタッフは、アメリカ側が17名、日本側が澤井信一郎（監督補佐）をはじめとする東映東京撮影所からの54名で構成されました。その他、トニー・カーティス、若山富三郎、ベアーズのメンバー10名、日本の少年野球チームとその家族など、多くの人々が撮影に参加しました。

若山富三郎の出演は、監督のジョン・ベリーが若山主演の映画を観て感銘を受け、出演をオファーしたことがきっかけでした。当時、若山は他の仕事で多忙でしたが、ベリー監督の熱意に打たれ、出演を承諾しました。

1977年9月3日には、京王プラザホテルで記者会見が行われ、ジョン・ベリー監督、トニー・カーティス、若山富三郎、石原初音、王貞治、アントニオ猪木、荒川尭が出席しました。会見後から撮影が開始され、同年10月12日頃まで行われました。また、同年9月23日には川崎球場で試合のシーンを撮影するために、2万8000人の観客を集めて大規模なロケーション撮影が行われました。

ストーリー

芸能エージェントのマービンは、日本に行きたいというベアーズのメンバーの願いを知り、彼らを日本へ連れて行く計画を立てます。日本に到着したベアーズは、全日本少年野球チームと対面し、練習試合を行います。しかし、その結果は散々なものでした。その後、アントニオ猪木とのプロレス対決や、『オールスター家族対抗歌合戦』への出場など、様々な騒動に巻き込まれながらも、ベアーズは日本チームとの対戦に向けて奮闘します。

キャスト

ケリー・リーク：ジャッキー・アール・ヘイリー（吹き替え:村山明）
エンゲルバーグ：ジェフリー・ルイス・スター (吹き替え:山本圭子)
マービン：トニー・カーティス（吹き替え:広川太一郎）
清水監督：若山富三郎
アリカ：石原初音
アントニオ猪木

作品の評価

『週刊平凡』は、本作について「引率のコーチが金儲けばかり考えているという設定なので、子供たちの無邪気さよりもコーチのこざかしさばかりが目立つ」と批判的に評価しました。

備考

劇中で『オールスター家族対抗歌合戦』に出演した全日本少年野球チームの監督が、黒田節を歌うシーンがあります。
劇中の野球の試合は川崎球場が舞台となり、1977年9月23日に撮影が行われました。
アントニオ猪木とベアーズのプロレスシーンはアメリカで撮影されました。
劇中の日本のCMに『宇宙大怪獣ギララ』の映像が流用されています。

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