けんびきょう座AX星

けんびきょう座AX星（ラカーユ8760）について

けんびきょう座AX星、またはラカーユ8760は、けんびきょう座の方向にある赤色矮星です。地球から約12.9光年（3.97パーセク）の距離に位置し、太陽系に比較的近い恒星の一つとして知られています。この星は、1763年にニコラ・ルイ・ド・ラカーユによって南アフリカ天文台で発見され、星表に記載されました。

観測の難易度

視等級が6.7等と暗いため、肉眼での観測は非常に困難です。しかし、望遠鏡を使えば比較的容易に観測することができます。観測条件が非常に良い場合であれば、肉眼でも何とか捉えることができるかもしれません。

スペクトル分類と閃光星としての特性

以前、けんびきょう座AX星のスペクトル分類は文献によってK2型からM7型までと大きくばらつきがあり、特定が困難でした。1979年、パトリック・バーンによって閃光星であることが確認され、閃光星としての名称「けんびきょう座AX星」が与えられました。閃光星とは、突発的に明るさを増す現象（フレア）を起こす星のことです。けんびきょう座AX星の場合、平均して1日に1回以下の頻度でフレアを起こしており、閃光星としては比較的静穏な部類に入ります。

公転軌道と寿命

多くの恒星が銀河系を円軌道で公転するのに対し、けんびきょう座AX星は離心率0.23の楕円軌道で公転しています。太陽系に最も接近したのは約2万年前で、その時の距離は約12光年（3.7パーセク）でした。また、この星の推定寿命は約750億年とされており、これは太陽の7倍以上にも及びます。

惑星の有無

2011年時点では、けんびきょう座AX星の周りに太陽系外惑星などの天体は発見されていません。今後の観測によって、新たな発見があるかもしれません。

物理的特徴

けんびきょう座AX星は、太陽の約60%の質量と約51%の半径を持っています。赤色矮星としては最大級の部類に入り、その大きさは特筆に値します。

まとめ

けんびきょう座AX星は、地球近傍に位置する興味深い赤色矮星です。その閃光星としての性質や、楕円軌道での公転、長い寿命など、様々な特徴を持っています。今後の研究によって、さらに詳しい情報が得られることが期待されます。

関連項目

近い恒星の一覧

外部リンク

SolStation.com Lacaille 8760 / AX Mic

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