こしの都ネットワーク

こしの都ネットワーク株式会社

こしの都ネットワーク株式会社は、福井県越前市に本社を構え、同市のほか、鯖江市、丹生郡越前町を主なサービス提供地域とする総合情報通信事業者です。地域に根差した情報インフラの担い手として、ケーブルテレビ放送、高速インターネット接続、固定電話、さらにはMVNOによるモバイル通信サービスまで、幅広いサービスを展開しています。かつては「丹南ケーブルテレビ株式会社」として地域に親しまれていましたが、創立26周年を迎えた2023年10月1日に、現在の社名である「こしの都ネットワーク株式会社」に名称を変更し、新たなスタートを切りました。

沿革

会社の歩みは、1997年9月に情報基地開設準備室が設けられたことから始まりました。同年10月31日に正式に会社として設立され、翌1998年2月13日には有線テレビジョン放送施設の設置許可を取得。同年8月には試験放送を開始し、10月1日には当時の武生市（現在の越前市の一部）において、ケーブルテレビサービスを正式に開始しました（第1期エリア）。

その後、サービスエリアの拡大は順調に進み、1999年10月には武生市第2期、2000年12月10日には鯖江市および当時の今立町（現在の越前市の一部）でサービスを開始しました（第1期エリア）。2001年には武生市第3期および鯖江市・今立町第2期が開局し、2002年12月には当時の朝日町と宮崎村（いずれも現在の越前町の一部）にもサービスエリアを広げました。

技術革新にも積極的に対応し、2006年5月にはデジタルサービスの提供を開始。2011年7月24日には地上デジタル放送への移行を完了しました。また、同年8月1日からはKDDIと提携し、IP電話サービス「ケーブルプラス電話」の提供を開始しました。2016年10月には、モバイル通信サービスである「ケーブルスマホ」（MVNO）を開始するなど、通信分野での事業領域を拡大。2020年3月3日には、北陸電力との協力を通じて、電力と通信サービスをまとめた割引サービス「でんき&ケーブルまとめ割」を、福井県内の事業者として初めて導入しました。そして、2023年10月1日の社名変更により、地域に根差した活動をさらに推進しています。

事業所

主な事業拠点として、越前市塚町に本社機能を置いています。また、鯖江市本町にある市民ホールつつじ（鯖江市地域交流センター）の2階には「さばえスタジオ」が設置されており、地域からの情報発信やサービスのサポート拠点として活用されています。

提供サービス

ケーブルテレビ

地域住民向けの多様なテレビサービスを提供しています。特に、自社運営のコミュニティチャンネルは充実しており、「こしの都TV９チャン」では、サービスエリア内の行政情報、イベント情報、地域に特化した番組を放送し、地域密着型の情報発信を担っています。「こしの都ライフTV」では、天気予報や主要道路のライブカメラ映像など、日々の暮らしに役立つ情報をリアルタイムで提供しています。

地上波放送、BS放送、CS放送の再送信も行っており、多様なチャンネルラインナップを提供しています。ただし、一部の4K・8K放送については、使用するセットトップボックスによっては視聴できない場合や、WOWOW 4Kのように別途契約が必要なチャンネルも存在します。また、NHKラジオ第1（福井）、FBCラジオ、FM福井といった主要なラジオ放送の再送信も、「たんなんライフTV」のデータ放送を通じて実施していますが、同じ建物内にスタジオを持つ「たんなん夢レディオ」は対象外となっています。

地域情報交換にも力を入れており、福井県内の他ケーブルテレビ局（福井ケーブルテレビ、嶺南ケーブルネットワーク、ケーブルテレビ若狭おばま）や、石川県のあさがおテレビ、岐阜県の飛騨高山ケーブルネットワークといった県外の事業者とも情報連携を行っています。

インターネット

高速インターネット接続サービスは、「nextr（ネクスタ）」の名称で提供されています。光ファイバー網を利用し、下り最大2Gbpsの高速プラン「nextr 2G」をはじめ、120Mbps、30Mbpsといった速度帯のプランを用意しており、利用者のニーズや用途に合わせて選択できます。自宅でのWi-Fi環境を快適にするオプションとして、「nextrメッシュWi-Fi」も提供されており、家中どこでもつながりやすい環境を構築可能です（別途申し込みが必要）。なお、「nextr 30M」プランはauスマートバリューの適用対象外となります。

電話

固定電話サービスとしては、KDDIと連携したIP電話サービス「ケーブルプラス電話」を提供しています。現在の電話番号をそのまま利用できるなど、従来の電話サービスと遜色ない使い勝手ですが、このサービス単独での契約はできず、ケーブルテレビまたはインターネットサービスとのセット契約が必要となります。

スマートフォン

モバイル通信分野にも進出しており、NTTドコモの回線を利用したMVNOサービス「ケーブルスマホ」を提供しています。音声通話とデータ通信が可能な「トークスマホ」と、データ通信のみの「データスマホ」の2種類があり、それぞれ1GBから20GBまでの複数のデータ容量プランが用意されており、利用者の利用状況に合わせた選択肢を提供しています。

その他事業

地域文化への貢献として、映画製作にも関わっています。2016年に公開された石倉三郎主演の映画『つむぐもの』では、製作委員会の一員として参加し、地域からの文化発信を支援しています。

これらの事業を通じて、こしの都ネットワーク株式会社は、地域社会の発展と住民の豊かな暮らしを支える情報通信インフラとして、重要な役割を果たしています。

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