ごしきひわ (フルート協奏曲)

フルート協奏曲ニ長調『ごしきひわ』RV.428 作品10-3

アントニオ・ヴィヴァルディによって作曲されたフルート協奏曲ニ長調『ごしきひわ』（Il Cardellino、ヴェネツィア方言ではel Gardelin）RV.428、作品10-3は、作品10の第3曲として知られています。原曲はRV.90です。この曲には「ごしきひわ（Cadellino）」という鳥の名前が標題として付けられており、ヴィヴァルディが鳥の鳴き声を模倣したことがその理由とされています。標題が示す通り、全体的に牧歌的な雰囲気が漂う作品です。フルート協奏曲として知られていますが、リコーダー協奏曲と表記されることもあります。

楽曲解説

編成

独奏フルート、合奏部は第1・2ヴァイオリン、ヴィオラ、通奏低音（チェロ・コントラバス・チェンバロ）によって構成されています。

楽章構成

この協奏曲は、以下の3つの楽章で構成されています。

第1楽章: Allegro. ニ長調、4分の4拍子。4回のトゥッティと3回のソロからなるリトルネロ形式。
冒頭は印象的なトゥッティで始まり、その後、鳥の鳴き声を模倣したカデンツァが現れます。このカデンツァは、独奏フルートの腕の見せ所となっています。ソロパートは、ヴィヴァルディの他の楽曲と比較すると、それほど高度な技巧を必要とするものではありません。また、ヴァイオリンにも鳥の鳴き声の模倣と思われるパッセージが含まれています。
第2楽章: Cantabile. ニ長調、8分の12拍子。典型的なシチリアーナ。
フルートと通奏低音のみで演奏され、第1楽章を彷彿とさせるフレーズが現れます。
第3楽章: Allegro. ニ長調、4分の3拍子。

原曲 RV.90との比較

この楽曲は、元々弦楽合奏を伴わないRV.90を編曲したものです。RV.90にはいくつかの種類が存在することが知られています。

その他

ヴィヴァルディ自身がこの曲を編曲した「ヴェネツィア版」と呼ばれる楽譜も存在します。

外部リンク

フルート協奏曲ニ長調『ごしきひわ』RV.428の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト)
協奏曲ニ長調『ごしきひわ』RV.90の楽譜)
Concerto in Re maggiore op.10 n.3 RV428 'Il gardellino'（イタリア語） - 『Magazzini Sonori』より《2014年1月収録の演奏音源を掲載》

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