さこみちよ

さこみちよ：歌手とラジオパーソナリティの多彩な魅力

さこみちよさんは、1956年10月14日大阪府守口市生まれの歌手、そしてラジオパーソナリティです。大阪信愛女学院高等部を中退後、東京音楽院大阪校を経て、青森放送のラジオ番組オーディションに合格、芸能界入りを果たしました。

彼女の芸能活動で最も知られているのは、TBSラジオの大沢悠里さんと組んだ長年のラジオ番組での共演でしょう。1986年4月から2020年3月まで続いた『大沢悠里のゆうゆうワイド』では、金曜日、そしてその後は土曜日版のパートナーとして活躍しました。その間には、『大沢悠里ののんびりワイド』も含まれ、実に約42年間にわたるタッグは、リスナーに愛される名物コンビとして記憶されています。特に番組内の「お色気大賞」コーナーでの掛け合いは、人気を博しました。リスナーを対象にした国内外ツアーや、2人出演のディナーショーを開催するなど、強い信頼関係を築いていました。

ラジオでの成功とは対照的に、さこさんの歌手活動は、彼女自身『廃盤の女王』と自称するほど順風満帆ではありませんでした。その売れない歌手としての苦労は、大沢悠里さんや毒蝮三太夫さんにもネタにされるほど。しかし、彼女はその度にユーモラスな返しで場を盛り上げ、持ち前の明るさとユーモアで難局を乗り越えてきました。後輩の佐田玲子さんからは、ネタにされたくない存在としてクールにあしらわれることもありますが、これはさこさん自身のキャラクターと、彼女が築き上げてきた独特の地位を反映しているのかもしれません。

大沢さんとの長年の付き合いは、さこさんが21歳の頃から始まりました。ラジオ番組では、大沢さんからの厳しい（しかし信頼に基づく）言葉が定番のネタとなり、番組を彩ってきました。キャンペーンでは「見るだけはタダですからね」といった大沢さんの冗談に、「バカ言ってんじゃねえよ」と返すさこさんの掛け合いは、二人の深い信頼関係と、絶妙なバランス感覚を示すエピソードと言えるでしょう。毒蝮三太夫さんとは、時には辛辣な言葉を交わしつつも、歌舞伎観劇や食事に誘うなど良好な関係を築いています。

ラジオパーソナリティとしての活動以外にも、さこさんは多才な才能を持っています。小唄では「千紫秀巳」の名で師範の腕前を持ち、夫である落語家の立川ぜん馬さんの所属する立川流の公演にも出演、小唄を披露しています。また、コシノジュンコさんが団長を務める『神楽坂女声合唱団』に所属し、チャリティーコンサートにも参加するなど、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。2012年には、ラジオリスナーが作詞した振り込め詐欺防止の替え歌「振り込め詐欺だよおっかさん」が話題を呼びました。

彼女の音楽活動は、レギュラー出演番組『ゆうゆうワイド』金曜日に新曲が流れるものの、時間が足りず途中で打ち切られることもありました。その際は、大沢さんがNHKラジオの交通情報アナウンスを冗談めかして真似て番組を終わらせるという、二人の息の合ったやり取りが印象的でした。

さこみちよさんの音楽作品は数多く存在し、デビュー曲「帰っておいでよ」（1978年、当時の名義は「左古みちよ」）から、大沢悠里さんとのデュエット曲「空に星があるように」（1997年）、「昭和のラジオ」（2014年）など、多様な楽曲を発表し続けてきました。高田みづえさんがカバーしてヒットした「潮騒のメロディー」（1979年）も彼女の代表曲の一つです。

テレビ出演では、『ルックルックこんにちは』、『3時にあいましょう』、『水戸黄門』など、数々の番組に出演。映画『河童の三平』にも出演しています。CMにも多数出演しており、多くのCMソングを歌っています。

さこみちよさんは、ラジオパーソナリティとして、歌手として、そして一人の女性として、多くの魅力を兼ね備えた、唯一無二の存在と言えるでしょう。彼女の多彩な活動は、これからも多くの人々を魅了し続けることでしょう。

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