しらけ世代

しらけ世代とは

しらけ世代（しらけせだい）とは、1960年代後半から1980年代にかけて、日本において政治的無関心や無気力を特徴とする世代を指します。この世代は、1960年代の学生運動が鎮火した後、世代全体が政治への興味を失い、社会的活動に対して冷めた態度を取るようになったことから名付けられました。学び舎での熱い議論や運動に背を向け、傍観者としての立場を選びます。一般的には「ノンポリ世代」とも呼ばれています。

限界と範囲

しらけ世代の範囲については諸説あり、定義には以下のような違いがあります:

• - 1950年代に生まれた世代: これは、1960年代に学生運動が下火になる時期に大学生だった世代から、共通一次試験制度が始まるまでに大学に入った世代までを含みます。さらにこの場合、「新人類」は共通一次試験を経験した1960年代に生まれた世代を示します。
• - 1950年代後半に生まれた世代: より厳密な定義で「無共闘世代」とも呼ばれます。この世代は、ベビーブームを経た出生数が少なく、高度経済成長と学生運動の終息後に高校を卒業しました。
• - 1950年代から1960年代半ばに生まれた世代: 最も広い範囲の定義で、学生運動の終焉からバブル期までの世代を包括しています。

本稿では、特に1950年から1968年の間に生まれた世代に焦点をあてます。

成長過程と時代背景

前期しらけ世代 (1950-1955年生まれ)

この世代は、高度経済成長の初期に小学校に入り、1970年の大阪万博で高校を卒業しました。大学進学率は上昇し、高校や予備校で学生運動に参加した者もいました。

中期しらけ世代 (1956-1961年生まれ)

出生数が少ないこの世代は、高度経済成長の中にあり、特にオイルショック後の就職環境が厳しくなった時期に成人を迎えます。

後期しらけ世代 (1962-1967年生まれ)

この世代は、出生数が再び増え始め、高度経済成長期の終わりとともに新たな価値観を持つようになりました。しかし1972年の連合赤軍事件や1973年のオイルショックを経て、政治的関心はますます低下します。

しらけの潮流と文化

1970年代初頭からの「シラケ」現象は、政治的無関心を象徴し、三無主義（無気力・無関心・無責任）が一般化しました。この世代の若者は、何をしても、言っても冷めている「しらけ」を口にし、個人主義が強くなります。

1970年代後期には、安保闘争や全共闘の過激な政治意識が変化し、オカルトブームやフォーク文化が広がりました。

文学や音楽においても、この世代の影響が顕著に見られ、川上弘美や村上龍などの著名な文学作家が誕生しました。また、個人旅行のスタイルを新たに創出した「アンノン族」もこの世代に由来しています。

おたく文化への影響

1970年代後半以降、アニメやコンピュータゲームの発展もこの世代の背景が影響しています。「おたく第一世代」と称される1955年から1964年生まれの人たちが、その発展に寄与しました。著名なアニメ監督やゲームクリエイターがこの世代から多数誕生し、文化の進化を促しました。

結論

2024年現在、しらけ世代は56歳から74歳の年齢層に達し、ポスト団塊の世代の中でも特に影響力を持っていることがわかります。彼らは多くの社会変革を見つめながら、無関心というテーマを通じて日本の文化と社会に深い影響を与えてきました。

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