ノンポリ

ノンポリという概念

ノンポリとは、日本語で「非政治的」という意味を持つ英単語「nonpolitical」の略称で、政治運動に興味を持たない人々を指します。この言葉は、特に1960年代の日本において学生運動が盛んだった時期に流行しました。当時、学生の中には、政治に対して特に関心を示さない層が存在し、これがノンポリ層とも呼ばれました。

ノンポリの起源

ノンポリという言葉は、もともと1960年代の学生運動に参加しない学生を指すものでした。1968年に発生した東大紛争や日大紛争といった事件を受けて、この言葉は広く知られるようになりました。当時の学生運動は、次第にセクト化し、過激化していったため、一部の学生たちはその動きについていけず、結果として無関心になってしまったのです。

ノンポリは、政治にまったく関心のない人を指すだけではありません。政治の問題には興味を持っていても、激化する運動や特定の党派に所属することを拒む人々、いわゆる「ノンセクト・ラジカル」も含まれています。こうしたノンポリ層は、政治活動から一定の距離を保ちながらも、社会の出来事や政治的問題には無関心ではないという特徴があります。

現代のノンポリ

近年では、無党派層の中にも消極的な無党派を指してノンポリと呼ぶことがあります。選挙などで特定の政党を支持することなく、投票行動を取る人々が増える中で、彼らもまたノンポリの一形態と考えられます。投票に対する関心は持ちながらも、選択肢が限られていると感じることで、一歩踏み出せない苦悩を抱えている人々が多いのです。

ノンポリが象徴するもの

ノンポリという言葉は、社会の変化や政治への関与に影響を与える重要な要素として、今なお語られています。平和志向や個人主義的な考え方が広がっている中で、政治的な対立が激化する現代社会において、ノンポリ層は一つの「沈黙の声」として存在し続けています。また、ノンポリ層の人々は、しばしば「しらけ世代」とも重なる部分があり、興味の薄さや社会への無関心が評価されがちです。

関連項目

ノンポリを理解するためには、政治思想や社会的な動向も視野に入れる必要があります。極左、左翼、中道、右翼、さらには非政治主義や日和見主義、個人主義、消費社会といった話題に触れることで、ノンポリ層の人々がどのような背景の中でその立場を選んでいるのかを知る手がかりとなるでしょう。これらの概念は、ノンポリの形成やその影響をしっかりと捉えるために欠かせない要素です。

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