たかしよいち

高士与市

高士与市（たかし よいち、1928年11月10日 - 2018年1月7日）は、日本の児童文学作家であり、鹿児島女子短期大学名誉教授、久留米信愛女学院短期大学教授・図書館長を歴任しました。熊本県熊本市出身で、東洋語学専門学校（現在の熊本学園大学）中国語科を卒業後、熊本大学図書館司書、教科書会社校正員、児童雑誌編集者として活躍しました。

生涯

1962年に『狩人タロの冒険』で作家デビュー。1965年には『埋もれた日本』で日本児童文学者協会賞を受賞しました。その後も精力的に執筆活動を続け、1977年には『竜のいる島』で国際アンデルセン賞優良作品賞とサンケイ児童出版文化賞を受賞、2008年には『天狗』で赤い鳥文学賞を受賞するなど、数々の賞に輝きました。

高士与市の作品の特徴は、考古学や古生物学などの分野を題材とした児童向け図書を多く手掛けたことです。これらの作品を通して、子どもたちに新たな知識や興味を与え、児童文学の新たな可能性を切り開いたと言えるでしょう。絵本や日本神話の再話、原作漫画など、多岐にわたるジャンルでも才能を発揮しました。

また、高士与市は児童文学作家の椋鳩十に師事し、椋作品に関する研究書も執筆しました。1978年には、椋の後任として鹿児島女子短期大学教授に就任し、1989年からは久留米信愛女学院短期大学教授を務めるなど、教育者としても貢献しました。1992年には、その功績が認められ西日本文化賞を受賞しています。

2018年1月7日、誤嚥性肺炎のため福岡市の病院で89年の生涯を閉じました。

主な著書

『狩人タロの冒険』(1962年)
『埋もれた日本』(1965年)
『竜のいる島』(1977年)
『天狗』(2008年)

共著

『恐竜のひみつ』小畠郁生共著(1967年)
『日本原人のなぞ』芹沢長介共著(1968年)
『象の来た道』藪内正幸共著(1970年)　後に「ナウマン象を掘る」として単著で偕成社文庫から刊行
『童心賛歌 たかしよいち聞書』佐藤倫子著(1995年)

参考文献

『児童文学辞典』日本児童文学学会編、東京書籍(1988年4月)
『日本児童文学大事典』大阪国際児童文学館編、[大日本図書]

関連項目

日本の小説家一覧
児童文学作家一覧

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