つがる (敷設艦)

敷設艦「つがる」について

「つがる」（ローマ字：JDS Tsugaru、ARC-481、ASU-7001）は、海上自衛隊に所属する特務艦で、日本の艦船としては3代目にあたる敷設艦です。この艦は、旧海軍の巡洋艦「津軽」や敷設艦「津軽」の流れを受け継いでおり、同型艦は存在しません。加えて、海上自衛隊にとって初の国産新造艦である点も特徴的です。

設計と任務

「つがる」は、旧海軍の初島型電纜敷設艇を参考に設計が行われました。設計には旧海軍の技術者で構成される船舶設計協会が携わりました。主な任務は、基地や港湾の周辺に水中聴音監視装置を敷設することです。そのため、艦の構造は特化した設計がなされています。艦首にはケーブル敷設用のシーブがあり、艦橋下には大型ケーブルドラム、中央部には電線庫が2箇所設置されています。また、5トンのデリックも備わっています。

このほか、機雷を敷設するための装備や、ソナーを使用した対潜戦のための装備も搭載されていますが、これらの装備は全体的な設計方針に基づいて導入されたもので、運用上の重要性には限界があったと言われています。

艦歴

「つがる」は、昭和28年度計画艦1001号艦として、1954年12月18日に三菱日本重工業横浜造船所で起工されました。その後、1955年7月19日に進水、同年12月15日に就役し、大湊地方隊に編入されました。1957年9月1日には横須賀地方隊に移管され、1961年9月1日には第2掃海隊群に編入されました。

1967年には深海用の精密測深儀が装備され、1969年7月から1970年4月にかけては特別改造が実施されました。この改造により、20mm機銃などの兵装は撤去され、新たに水中器材敷設装備が取り付けられました。結果として、艦の形状は大きく変わり、排水量も新造時の倍以上に増加しました。

1972年8月21日には、明石海峡で小型貨物船「第二天神丸」との衝突事故が発生しました。この事故では「つがる」が軽微な損傷を受けましたが、「第二天神丸」は沈没し、乗組員の救助が行われました。

1977年1月12日には、敷設艦（ARC）から特務艦艇に区分変更され、1980年3月17日には老朽化のため敷設艦から特務艦に変更され、艦籍番号もASU-7001に改訂されました。運用も海洋業務群に編成した後、1990年3月15日には除籍されました。

その後、1991年4月から装備の撤去作業が始まり、艦は実艦標的として改造され、1992年4月に若狭湾へ送られました。最終的に、艦は標的として使用され、処分されました。

参考文献

本艦に関する詳細な情報は、以下の文献に記載されています：

• - 石橋孝夫『海上自衛隊全艦船 1952-2002』（並木書房、2002年）
• - 『世界の艦船 増刊第66集 海上自衛隊全艦艇史』（海人社、2004年）

「つがる」の歴史は、海上自衛隊の発展における特別な位置を占める艦船として、多くの重要な役割を果たしてきたことを示しています。

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