ながぬま温泉

ながぬま温泉

北海道夕張郡長沼町に位置する「ながぬま温泉」は、豊かな自然に囲まれた温泉施設です。一般的には平仮名で「ながぬま温泉」と表記されることが多いですが、漢字を用いて「長沼温泉」と記されることもあります。

泉質と湯量

この温泉の最大の特色は、その泉質と圧倒的な湯量にあります。泉質はナトリウム-塩化物強塩泉で、保温効果が高く湯冷めしにくいとされています。源泉温度は52℃と比較的高温であり、毎分1865リットルという非常に豊富な量が湧出しています。施設では、この豊富な湯量を活かし、源泉掛け流し方式を採用しており、加水や循環を最小限に抑えることで、温泉本来の成分や効能を浴槽で体感できるように工夫されています。

施設概要と周辺環境

ながぬま温泉の施設は、長沼町が整備した広大な「ながぬまコミュニティ公園」の中に建てられています。この施設は、日帰りでの入浴利用はもちろんのこと、宿泊も可能な複合的な温泉施設として運営されています。浴室エリアには、ゆったりと浸かれる広々とした内風呂と、開放的な気分で入浴できる露天風呂が備えられており、どちらも源泉掛け流しの湯を楽しむことができます。

公園内に立地しているため、温泉の利用と合わせて、公園内の散策やレクリエーションを楽しむことも可能です。また、施設に隣接してマオイオートキャンプ場があり、キャンプと温泉を組み合わせた滞在スタイルも人気があります。公園全体が整備されており、売店やレストランなど、温泉利用者や公園訪問者が快適に過ごせるための関連施設も充実しています。

歴史

ながぬま温泉の歴史は、1987年（昭和62年）に長沼町の町営施設として開湯したことに始まります。開湯からわずか1年後の1988年（昭和63年）7月1日には、その優れた泉質や湧出量、そして施設の整備状況などが高く評価され、環境庁（現在の環境省）によって国民保養温泉地に指定されました。この指定の際にも、名称は「ながぬま温泉」と平仮名表記で登録されています。その後、時代の流れや経営効率化の流れを受け、2010年（平成22年）7月1日からは指定管理者制度が導入され、施設の運営は民間の事業者へと移管されています。

アクセス

公共交通機関を利用してながぬま温泉へ向かう場合、JR千歳線の北広島駅が主要なアクセス拠点となります。北広島駅からは、JR北海道バスの運行する特定の系統（大34・新34・広34など）を利用することができ、バスに揺られること約40分で温泉施設に到着します。かつては、日帰り入浴を目的とする利用者向けに、入浴券と北広島駅からの往復バス乗車券がセットになった割引チケットがバス車内や駅周辺などで販売されていた時期がありましたが、このセット券の販売は2010年3月末をもって終了しています。自家用車の場合は、ながぬまコミュニティ公園内に広々とした駐車場が完備されているため、車でのアクセスも便利です。

結び

ながぬま温泉は、その優れた泉質と豊富な湧出量を誇る湯、そして充実した施設機能により、地域住民だけでなく、道内外から多くの観光客が訪れる人気の温泉地です。ながぬまコミュニティ公園内という恵まれた立地も相まって、温泉入浴のみならず、アウトドアレジャーや公園での憩いの時間と組み合わせた多様な過ごし方ができる点が魅力と言えるでしょう。国民保養温泉地としての歴史も有しており、長沼町の観光資源として重要な役割を果たし続けています。

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