ながら (列車)

長良川鉄道 観光列車「ながら」

長良川鉄道が運行する観光列車「ながら」は、2016年から越美南線で運行を開始しました。沿線地域の活性化を目指し、美しい景色と地元の味覚を堪能できる列車として人気を集めています。

概要

「ながら」は、沿線人口の減少や道路整備による利用客の減少という課題を抱える長良川鉄道が、利用促進のために企画した観光列車です。デザインは、数々の観光列車を手がけてきた水戸岡鋭治氏が担当。当初は2両の車両を改造し、運行を開始しました。

利用プランは、乗車のみの「ビュープラン」と食事付きのプランがあります。ビュープランは自由に乗り降りできますが、食事付きプランは乗車区間が限定されています。

運行開始後は予想を上回る利用があり、2018年にはクラウドファンディングを活用して3両目の車両を導入しました。

「味わいながら」「眺めながら」といった「…ながら」をキーワードにしたキャッチフレーズも展開しています。

運行概況

2023年度からは、時刻表に掲載される定期列車として1号（下り）と2号（上り）が運行されています。美濃太田駅 - 北濃駅間を全線運行しますが、ビュープラン以外のプランでは乗降できる駅が限られています。

以前は団体専用列車「川風号」も運行されていましたが、現在は定期運行されていません。

停車駅（1・2号）

美濃太田駅 - 富加駅 - 関駅 - 美濃市駅 - 郡上八幡駅 - 郡上大和駅 - 美濃白鳥駅 - 白山長滝駅 - 北濃駅

各駅間では、眺望のために徐行や停車サービスも行われます。

車内設備

ランチプランやスイーツプランで使用される「鮎号」にはトイレが設置されていますが、ビュープラン用の「森号」にはありません。そのため、美濃市駅と郡上八幡駅の間にある大矢駅でトイレ休憩が設けられています。

現行プラン

季節限定の特別プランを除き、以下のプランが設定されています。食事付きプランは、1号・2号を往復で利用できるセットプランもあり、通常よりもお得に利用できます。

ビュープラン以外のプランには、当日有効のフリー乗車券（越美南線全線乗り降り自由）が含まれています。

予約は、乗車日2ヶ月前の各月1日10時から専用ダイヤルまたは関駅の専用窓口で受け付けています。

ランチプラン: 1号で設定。美濃太田駅 → 郡上八幡駅間。都ホテル岐阜長良川による和洋食が提供されます。乗車券は2日間有効で、最少催行人数が5名に満たない場合は中止となります。
スイーツプラン: 2号で設定。郡上八幡駅 → 美濃太田駅間。イタリアンレストラン「雀の庵」によるスイーツが提供されます。
ビュープラン: 1・2号で設定。乗車区間の制限はなく、どの駅でも自由に乗り降りできます。ただし、大矢駅での乗降はできません。乗車整理券（510円）が必要で、空席があれば当日券も購入可能です。乗車券は別途購入する必要があります。

過去のプラン

お弁当プラン: 川風号の下り列車で設定。関駅 → 郡上八幡駅間。料理店「瓢麓苑」による日本料理の弁当が提供されていました。
ほろ酔いプラン: 川風号の上り列車で設定。郡上八幡駅 → 美濃太田駅間。地元のおつまみと地酒（未成年は茶）が提供されていました。

使用車両

1号車と2号車はナガラ300形、3号車はナガラ500形を改造した車両です。沿線の景観に合わせたロイヤルレッドを基調とし、車内には岐阜県産の天然木や郡上本染、愛知県一宮市の布生地など、地元の素材がふんだんに使用されています。

1号車「森号」: ナガラ301を改造。ボックスシートとロングシートがあり、車内販売カウンターとカウンター席も設置されています。定員は38名で、ビュープランで使用されます。
2号車「鮎号」: ナガラ302を改造。ボックスシートのほか、車内販売カウンターとカウンター席があります。ボックスシートはカーテンで仕切ることも可能です。定員は25名で、食事付きプランで使用されます。
3号車「川風号」: ナガラ502を改造。ハイバックタイプのロングシートで、テーブルを取り付けることも可能です。定員は26名で、「川風号」プランで使用されていました。「森号」の検査時には、ビュープランの代走として使用されることもあります。

「ながら」は、美しい景色と地元の魅力を満喫できる観光列車として、多くの人に愛されています。

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