なるしお (潜水艦・初代)

潜水艦「なるしお」の概要

「なるしお」(ローマ字: JS Narushio, SS-569、ATSS-8002)は、海上自衛隊に所属する潜水艦であり、うずしお型潜水艦の4番艦です。この艦名は、潮の流れの中でも特に渦潮を指す「鳴潮」に由来しています。

艦歴

「なるしお」は、1971年5月8日に三菱重工業神戸造船所で起工されました。進水式は1972年11月22日、そして1973年9月28日に就役を果たしました。就役と同時に、彼女は第1潜水隊群隷下に新たに編成された第5潜水隊に配属され、「いそしお」と共に活動を開始しました。

重要な任務

1974年11月9日には、第十雄洋丸事件という大きな事故が発生しました。この事件において、「なるしお」は災害派遣として出動し、火災に見舞われた第十雄洋丸を海に沈めるための作戦を遂行しました。しかし、11月28日に到着し、魚雷攻撃を実施したものの、機械の故障や調整ミス、さらには生じた弾頭の威力不足が重なり、沈没処分には失敗しました。

訓練活動

その後、「なるしお」は1976年及び1980年の2回にわたりハワイでの派遣訓練に参加しました。これらの訓練では、潜水艦としての能力や性能を向上させるための貴重な経験を積みました。

座礁事故

1982年3月25日、艦は呉に帰港中の出来事がありました。操艦ミスにより、関門海峡の浅瀬に座礁してしまいました。しかし、午後6時過ぎに潮が上がり、自力で離礁することができました。この一件は、艦の運用における注意の重要性を再認識させる出来事となりました。

軍籍の変更

1990年6月8日には、特務潜水艦に種別が変更され、艦籍番号がATSS-8002に改められました。そして、この新しい分類のもと、第1潜水隊群直轄艦としての任務が与えられました。

除籍

「なるしお」は長年にわたって海上自衛隊での任務を遂行してきましたが、1993年3月17日に除籍されました。これにより、彼女の艦歴は一つの区切りを迎えました。

参考文献

この艦の詳細な情報は、以下の書籍に収められています。石橋孝夫の『海上自衛隊全艦船 1952-2002』や、海人社が刊行した『世界の艦船 増刊第66集 海上自衛隊全艦艇史』『世界の艦船 増刊第665集 海上自衛隊潜水艦史』、さらに兵頭二十八による『日本の防衛力再考』などが参考になります。

以上が、潜水艦「なるしお」の概要と艦歴の詳細です。彼女は日本の海上自衛隊の重要な一翼を担ってきました。

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