ふしぎ犬トントン

ふしぎ犬トントン：宇宙から来た不思議な犬と少年の友情物語

1978年10月30日から1979年4月23日にかけて、フジテレビ系で放送された『ふしぎ犬トントン』。国際放映製作によるこの作品は、一人暮らしの少年と、ぬいぐるみに変身する不思議な犬型宇宙人との交流を描いた、心温まる児童向けドラマです。

物語の中心は、UFOによって地球に送り込まれた犬の姿をした宇宙人「トントン」と、彼と出会うこととなる少年タロー。トントンは流暢な日本語を話す知的な宇宙人ですが、猫が苦手で、ある特定の音「トントン」を聞くとぬいぐるみになってしまうというユニークな特性を持っています。

このドラマは、国際放映が1973年に制作した『へんしん!ポンポコ玉』と同様に、ぬいぐるみキャラクターが物語を大きく牽引する作品であり、「全怪獣怪人 下巻」では『ポンポコ玉』に続く「アニクリエーション作品」の第3弾として紹介されています。

タローは、両親が共働きで家を空けることが多く、一人っ子として少し寂しさを感じている少年です。そんなタローにとって、トントンはかけがえのない存在となり、友情を通して成長を遂げていきます。周りの大人たち、近所の仲間たちとの触れ合いも丁寧に描かれ、子供たちの日常の喜びや悩み、そして成長過程を温かく見守る物語となっています。

物語を彩るキャスト陣も魅力的です。主人公タロー役を演じた坂上忍さんは、このドラマがきっかけで犬好きになったと語っており、後にTBSの番組で、長年疎遠になっていたドッグトレーナーの出海宏平さんと35年ぶりに再会を果たすなど、ドラマとの深い繋がりを見せています。

主題歌は、はしだのりひこさんが担当。オープニングテーマ「へんてこりんロック」とエンディングテーマ「星がみつめてる」は、どちらもドラマの世界観にぴったりとマッチした、明るく楽しい曲調です。これらの楽曲も、作品全体の印象を大きく左右する重要な要素となっています。

スタッフ陣も、ベテランから若手まで幅広い層が集結し、それぞれが持ち前の技術と才能を発揮。脚本には高橋二三さん、前田陽一さん、長坂秀佳さん、雪室俊一さんなど、多くの著名な脚本家が参加し、緻密で魅力的なストーリーを紡ぎ出しています。監督も複数のベテラン監督が担当し、それぞれの個性あふれる演出でドラマを盛り上げています。

2014年にはDVD-BOXが発売され、現在でも多くのファンから愛されている『ふしぎ犬トントン』。昭和時代の懐かしい雰囲気と、普遍的な友情の物語は、世代を超えて多くの人々の心に響く作品と言えるでしょう。当時見ていた世代にとっては、懐かしの思い出が蘇る、そんな作品となっています。

主なスタッフ

企画：石井実(フジテレビ)
プロデューサー：国際放映'>[鍛冶昇]
原作：高橋二三
脚本：高橋二三、前田陽一、長坂秀佳、雪室俊一ほか
監督：前田陽一、野崎貞夫、金谷稔、磯見忠彦、小山幹夫、奥中惇夫
特殊技術：高野宏一
音楽：石田勝範、はしだのりひこ
犬調教師：出海宏平
制作：フジテレビ、国際放映

主なキャスト

坂上忍（タロー）
トントン（ふしぎ犬・宇宙人）
山田吾一（平間凡平）
田崎潤（六兵衛）
天地総子（平間トシ子）
桜むつ子（お杉）
高田橋久子（ユミねえさん）
石山かつみ（三ノ宮先生）
早乙女朋子（五十嵐リサ）
滝雅也、増岡弘（トントンの声、次回予告ナレーション）
そしてその他多くの子供たちが、個性豊かなキャラクターを演じています。

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