ぷに (萌え属性)

ぷにとは

「ぷに」とは、主に同人業界で使用される言葉で、顔や身体が丸みを帯び、ぷにぷにした触感を持つ幼児体型の少女または少年のキャラクターを指します。

概要

「ぷに」という言葉は、「ぷにぷに」という擬態語・擬音語に由来する造語、隠語、または符丁として定義されています。頬を触る様子を表す意味合いでも使用されます。

単に「ぷに」または「ぷにキャラ」と言う場合、頭身が低く、頬がふっくらとした印象の少女や少年キャラクターを指します。本来の設定よりも頭身を低くデフォルメしたちびキャラや、設定上の年齢が高いにもかかわらず作中で極端に幼児体型に描かれているキャラクターも含まれます。場合によっては、小動物のキャラクターも「ぷに」として扱われることがあります。

派生概念として「ろりぷに」という言葉も存在します。「ろりぷに」の「ロリ」は「ロリコン（ロリータ・コンプレックス）」に由来し、特にぷにぷにとした幼い少女のキャラクターを指します。「ロリ」と「ぷに」は、かわいらしい幼い外見の少女キャラクターを対象とする点で類似していますが、「ロリ」が性的なニュアンスを含むのに対し、「ぷに」にはそのようなニュアンスは含まれないと解釈されることが多いです。また、「ロリ」が成長過程の少女の精神性や儚さに魅力を求めるのに対し、「ぷに」は頬の触感など、より直接的な身体的特徴に魅力を求める傾向があります。

歴史

「ぷに」の起源 (1982年)

「ぷに」という概念が確立したのは1990年代後半ですが、「ぷに」的な嗜好はそれ以前から存在していました。明確な起源は特定されていませんが、『空想美少女大百科』では、1982年のテレビアニメ『魔法のプリンセス ミンキーモモ|魔法のプリンセス_ミンキーモモ』のヒロイン、ミンキーモモ（空モモ）など、芦田豊雄がキャラクターデザインを手がけた作品や、芦田が設立したスタジオ・ライブが関わる作品群が、後の「ぷに」的なキャラクターに影響を与えたとされています。

SDキャラブーム (1990年)

「ぷに」は「幼児」または「幼児性」の記号として機能していましたが、1990年前後の「ちびキャラ」「SDキャラ」ブームに伴い、新たな展開を見せます。幼児ではないキャラクターをSD化することで「ぷに」化する手法が登場し、「ぷにキャラ」は多様性を獲得しました。例えば、『魔導物語』『ぷよぷよ』の主人公であるアルル・ナジャなどが挙げられます。

「ぷに」ムーブメントの発生 (1990年後半)

幼児体型の少女や、特定の画風で描かれた少女像を指す隠語としての「ぷに」「ぷにぷに」は、1990年代後半にインターネットのCGサイトで生まれました。「ぷにキャラ」を愛好する人々は「ぷに萌え」と呼ばれ、1999年頃の同人業界で大きな勢力となりました。

『おジャ魔女どれみ』の放映開始 (1999年)

1999年からは、『おジャ魔女どれみ』を中心としたぷに系作品限定の同人誌即売会「ぷにケット」が、東京で年2回開催されるようになりました。

萌え系4コマ誌での展開 (2002年)

2002年に創刊された『まんがタイムきらら』を皮切りに、萌え系4コマ誌が多数登場し、「ぷにキャラ」も多く見られました。2004年には、ぷに系を専門に扱った萌え4コマ雑誌『COMICぎゅっと!』が創刊されましたが、短期間で休刊となりました。しかし、同誌で連載が開始されたきゆづきさとこの漫画『GA 芸術科アートデザインクラス』は、その後も他誌で連載が継続され、2009年にはテレビアニメ化もされました。

ミニフィギュアブーム (2003年)

2003年7月に海洋堂から発売された「リカヴィネ」のヒットをきっかけに、同社は大嶋優木による「ワンダちゃん＆リセットちゃん」や「週刊わたしのおにいちゃん」など、同様のミニフィギュアを多数展開しました。「週刊わたしのおにいちゃん」のイラストを手掛けたYUGは、『電撃萌王』や『マジキュー』などでも活躍し、「頬をぷにぷにしたくなる『おんなのこ』」を描くクリエーターとして知られました。また、他社からも同様のミニフィギュアが販売され、雑誌『ネットランナー』では2005年を「ぷにっ!!」の年として、萌え擬人化キャラのトレーディングフィギュアなどのグッズが紹介されました。

参考文献

『空想美少女大百科 電脳萌え萌え美少女大集合!』宝島社〈別冊宝島〉、1999年1月3日、110-121,155頁頁。ISBN 4-7966-9421-8。

関連項目

ロリコン
ロリータ
シベール
少女愛
つるぺた
童顔

外部リンク

同人用語集 ぷに - 同人用語の基礎知識

もう一度検索