へびつかい座RS星

へびつかい座RS星について

へびつかい座RS星（RS Ophiuchi）は、私たちの地球から約4,600光年の距離に存在する回帰新星です。この天体は、約平均して15年ごとに急激な増光を示し、人間の目でも見ることができる明るさに達します。静穏期には、見かけの等級は約12等ですが、増光時には肉眼等級まで明るくなります。これまでにも、19世紀末から今までの間に6回の増光が記録されており、さらに2回の増光が起こった可能性もあると考えられています。

特徴と構造

へびつかい座RS星は、激変星の一種であり、特に共生回帰新星と呼ばれるタイプに分類されています。この星系は、大質量の白色矮星と赤色巨星の連星系で構成されており、白色矮星が赤色巨星から水素を含む物質を引き寄せてはそれを表面で核融合させ、大規模な増光を引き起こす仕組みです。

この連星系の公転周期は約454日と比較的長く、白色矮星は太陽質量の1.35倍と推定されています。赤色巨星はM型星に分類され、スペクトル型はK4からM4まで変化することがあります。これは、白色矮星からの高エネルギー放射が赤色巨星の表面に影響を与えるためです。

新星爆発の歴史

へびつかい座RS星の最初の観測された爆発は1898年にさかのぼります。ハーヴァード大学のウィリアミーナ・フレミングが、天体の変光を発見しました。その後、1907年、1933年、1945年、1958年、1967年、1985年、2006年、2021年と続く爆発が観測されています。これらの爆発の多くは、太陽に近い位置にあったために観測が困難だったことも考えられます。

例えば、1958年には極大時に減光が見られ、爆発が観測され、その後の分析で詳細を知ることができました。1967年の爆発も非常に興味深いもので、アマチュア天文家による発見が記録されています。

観測的特徴

へびつかい座RS星の増光は、急激に起こり、その特性は毎回似通っています。爆発からの最初の極大までの増光には約0.6日しかかからず、その後の減光も早く進みます。通常、爆発後の明るさは経過日数に応じて変わり、2ヶ月後には減光率が緩やかになることが多いです。

最も特徴的な点としては、爆発後100日から500日の間に見られる光度の「谷」があります。この期間中、星の明るさは通常の静穏期よりも最大1等級旨暗くなることが観測されています。この「谷」の存在は、すべての爆発で確認されています。

爆発後の系列

2006年の爆発では、ハッブル宇宙望遠鏡や各種の地上観測装置を使用して、多角的な観測が行われました。特に、爆発後に放出された物質が赤色巨星の恒星風と衝突し、非常に強い衝撃波を形成する様子が観察されました。この相互作用によって、白色矮星の回りの降着円盤も影響を受けたと疑われており、これらは将来のIa型超新星の形成に関連する現象であると考えられています。

まとめ

へびつかい座RS星は、その頻繁な増光と特異な構造から、天文学者によって長い間注目を集めてきた天体です。今後もさらなる観測と研究によって、RS星の謎を解き明かす新たな知見が得られることが期待されます。

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