ぼくらのよあけ

ぼくらのよあけ

今井哲也によるSFジュブナイル漫画『ぼくらのよあけ』は、2011年に『月刊アフタヌーン』で連載され、全2巻の単行本として刊行されました。2012年には星雲賞の候補にも選出されるなど、SFファンからも高い評価を受けています。物語の舞台は、人工知能が高度に発達した近未来の日本。東京都杉並区をモデルにした街並みが作品の背景として描かれているのが特徴です。キャッチコピーである「“なみ”じゃない冒険が今、始まる」は、杉並区のキャッチコピー「なみじゃない杉並」からインスピレーションを得ています。2022年にはアニメ映画版も公開され、その映像美と物語の深さで話題を呼びました。

あらすじ

物語は、西暦2038年の夏、宇宙とロボットに夢中な少年・沢渡悠真が、地球に接近する彗星に心を奪われるところから始まります。ある日、悠真は自宅の家庭用オートボットであるナナコに宿った、宇宙から来たという未知の存在と出会います。その存在は、自らの秘密を明かし、悠真とその仲間たちに、あるミッションを依頼します。その願いを受け入れた悠真たちは、前代未聞の極秘ミッションに挑むことになります。このミッションを通じて、少年たちは友情を深め、成長していく姿が描かれています。

登場人物

沢渡 悠真（さわたり ゆうま）
本作の主人公。阿佐ヶ谷団地に住む小学4年生で、宇宙とロボットが大好き。好奇心旺盛で、未知の存在との出会いをきっかけに、大きな冒険に巻き込まれていきます。
ナナコ
女性型の家庭用オートボット。高度な人工知能を搭載しており、様々なロボットの制御に使われています。物語では、未知の存在が一時的にその体を乗っ取り、悠真たちとコミュニケーションを取ります。
SHIII（エスエイチスリー）
JAXAの半自律型人工衛星、またはその人工知能。2009年に打ち上げられ、宇宙観測を行っていましたが、老朽化のため運用を終えることになります。その人工知能は後継機のサポートに移行される予定です。
2月の黎明号（2がつ の れいめいごう）
ナナコを通して悠真たちに語りかける正体不明の存在。実は、1万2000年かけて地球に辿り着いた異星の無人惑星探査機であり、その人工知能です。不時着時にSHIIIに助けられ、その後阿佐ヶ谷団地の一部となっていました。
田所 銀之助（たどころ ぎんのすけ）
悠真の遊び仲間で、阿佐ヶ谷団地に住む小学6年生。物語では、悠真とともにミッションに挑みます。
岸 真悟（きし しんご）
悠真の遊び仲間で、同じく阿佐ヶ谷団地に住む小学4年生。ミッションに協力し、物語を盛り上げます。
岸 わこ（きし わこ）
真悟の姉で、阿佐ヶ谷団地に住む小学6年生。弟たちとともに、冒険に巻き込まれていきます。
河合 花香（かわい ほのか）
わこと同じ小学校に通う小学6年生。物語では、友人として主人公たちをサポートします。
沢渡 はるか（さわたり はるか）
悠真の母親。
沢渡 遼（さわたり りょう）
悠真の父親。
河合 義達（かわい よしたつ）
花香の父親。
市川 実菜（いちかわ みな）
わこのクラスメイト。
佐山 香里（さやま かおり）
わこのクラスメイト。
千石 美智（せんごく みち）
わこのクラスメイト。
デンスケ
河合家のオートボット。
TVの男性キャスター
物語に登場するTVの男性キャスター。
TVの女性キャスター
物語に登場するTVの女性キャスター。

書誌情報

今井哲也『ぼくらのよあけ』 講談社〈アフタヌーンKC〉、全2巻
2011年6月23日発売、ISBN 978-4-06-310758-6
2011年11月22日発売、ISBN 978-4-06-310791-3

劇場アニメ

2022年10月21日に公開されたアニメ映画では、原作の年代設定が2038年から2049年に変更されています。2023年4月28日にはBlu-rayとDVDが発売され、デジタル配信も開始されました。

声の出演

沢渡悠真：杉咲花
ナナコ：悠木碧
岸真悟：藤原夏海
田所銀之介：岡本信彦
河合花香：水瀬いのり
岸わこ：戸松遥
沢渡はるか：花澤香菜
沢渡遼：細谷佳正
河合義達：津田健次郎
二月の黎明号：朴璐美
岸みふゆ：横澤夏子
市川実菜：道井悠
佐山香里：柚木尚子
千石美智：北川里奈
デンスケ：熊谷俊輝
TVの男性キャスター：中川聡
TVの女性キャスター：繁田美貴

スタッフ

原作：今井哲也『ぼくらのよあけ』（講談社『月刊アフタヌーン』刊）
監督：黒川智之
脚本：佐藤大
主題歌：三浦大知「いつしか」（SONIC GROOVE）
アニメーションキャラクター原案・コンセプトデザイン：pomodorosa
アニメーションキャラクターデザイン・総作画監督：吉田隆彦
虹の根デザイン：みっちぇ
音楽：横山克
製作：依田巽、勝股英夫、川崎由紀夫、先川幸矢、松下幸生、古川公平、古迫智典
企画・プロデュース：新井修平
プロデューサー：大胡寛二
アニメーションプロデューサー：鈴木良兵
総作画監督：草間英興、谷拓也、植田羊一
エフェクト作画監督：植田羊一
レイアウト監修：安田好孝
プロップデザイン：狩野都
美術監督：谷岡善王
美術監督補佐：野村正信
美術設定：青木薫
色彩設計：古川篤史
3D監督：菅友彦
3Dテクニカルディレクター：佐藤淳也
アートワークス：三沢伸
モニターグラフィックスデザイン：カプセル 関香織、宮原洋平
虹の根映像：亡霊工房
撮影監督：國重元宏、難波史
編集：黒澤雅之
音響監督：小泉紀介
サウンドミキサー：野口あきら
スーパーヴァイジングサウンドエディター：勝俣まさとし
音響制作：ソニルード
営業統括：水野貴夫
宣伝統括：長屋圭井子
宣伝プロデューサー：松田尚子
配給：ギャガ、エイベックス・ピクチャーズ
アニメーション制作：ゼロジー
製作：「ぼくらのよあけ」製作委員会（ギャガ、エイベックス・ピクチャーズ、テレビ東京、ゼロジー、クオラス、講談社、qooop）

脚注

出典

外部リンク

今井哲也『ぼくらのよあけ』 – コミックDAYS公式WEB
劇場アニメ「ぼくらのよあけ」公式サイト
劇場アニメ『ぼくらのよあけ』公式 (@bokura_no_yoake) - X（旧Twitter）
劇場アニメ『ぼくらのよあけ』公式 (@bokuranoyoake) - TikTok

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