まわり将棋

まわり将棋：将棋の駒で遊ぶ双六風ゲーム

まわり将棋は、将棋の駒を使って遊ぶ、サイコロゲームのような遊戯です。将棋盤と将棋の駒を用いて、サイコロの代わりに金将を振ることで駒を進めていきます。シンプルなルールながら、ローカルルールも豊富で、多様な楽しみ方ができる奥深いゲームです。

ルール概要

基本的なルールは次のとおりですが、地域やプレイヤーによって様々なローカルルールが存在します。ここでは一般的なルールを説明します。

1. 準備: 歩兵を人数分、金将を4枚用意します。2人対戦の場合は、歩兵を「1九」と「9一」に1枚ずつ配置します。
2. 振り駒: 4枚の金将を将棋盤上に投げ、それぞれの向きによって得点を計算します。
裏向き (何も文字が見えない): 0点
表向き (「金将」の文字が見える): 1点
横向き: 5点
上向き: 10点
下向き: 20点または100点 (ローカルルールにより異なる)
4枚全て裏向き: 8点または20点 (ローカルルールにより異なる、次の角にワープするルールや、もう一度振れるルールもある)
3. 駒を進める: 振り駒の合計点だけ、駒を「1九」→「1一」→「9一」→「9九」→「1九」…と時計回りに進めます。ただし、金将が重なったり、盤外に出たりした場合は0点となります。また、出た目の数だけ後退するルールもあります。
4. 駒の交換: ぴったり角(「1九」「1一」「9一」「9九」)に止まると、駒を交換します。歩兵→香車→桂馬→銀将→成銀→角行→飛車→王将と交換し、王将で角に止まれば勝利です。
5. ローカルルール: ぴったり角に止まらなくても一周で交換できるとするルールや、「5五」到達で勝利とするルールなど、様々なローカルルールが存在します。下向きの金将は稀なので、30点や100点など高得点とするルールもあります。また、振り駒が重なった場合や、盤外に出た場合の処理もローカルルールによって異なります。
6. 戦争: 他のプレイヤーと駒が重なった場合は「戦争」を行い、互いのスタート地点まで往復し、先に帰還した方が勝利します。勝てばランクが上がり、負けると下がります。
7. 休憩: 他の駒に追い抜かれた場合は休憩となり、裏返して1マス内側に置き、もう一度誰かに通ってもらうか、一定の点数を出さなければそこから動けません。
8. 複数プレイヤー: 「1一」と「9九」も起点に加えることで、最大4人での対戦も可能です。

歴史

まわり将棋の起源は定かではありませんが、1830年（文政13年）の「嬉遊笑覧」や1907年（明治40年）の「世界遊戯法大全」に記載があることから、それ以前から遊ばれていたと考えられています。

まとめ

まわり将棋は、シンプルなルールと多様なローカルルールが魅力のゲームです。将棋の駒を用いた手軽さと、運と戦略が絡み合う奥深さが、幅広い年齢層に親しまれてきた理由でしょう。 各地のローカルルールを探してみるのも、楽しみ方のひとつです。

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