やねうら王

やねうら王について

概要

やねうら王は、コンピュータ将棋プログラムであり、2010年代前半においてプロ棋士に平手で勝利した強豪の一つです。このプログラムは、磯崎元洋によって開発されました。彼はパソコン通信の時代から名乗っていた「やねうらお」というハンドルネームに由来しています。磯崎自身は棋力二段に相当するレーティング1800を持つそうですが、他のトッププログラムと比べると愛着は少ないと語っています。

やねうら王は独自の評価値「31111」を出力することがあるという特長があります。この値は「優等局面」を表し、手駒が増加している状況を示します。逆に、手駒が減少する場合は「劣等局面」と呼ばれます。この評価値は局面の評価に基づいて計算され、勝勢を示す場合もありますが、必ずしも必至や読み切りを示しているわけではありません。

このプログラムは詰将棋を解くためのルーチンも搭載されていますが、対局を優先する設計となっています。したがって、非常に長い手数の問題には大量のメモリが必要となる場合があります。

歴史

やねうら王は2014年に開催された第3回将棋電王戦で、佐藤紳哉六段との対戦で勝利を収めました。この試合では、開発者が致命的なバグ修正の要望を出すことで予期せぬ対局環境が生まれました。続いて2015年には、稲葉陽七段との対局でも勝利。この際、プログラム名を変更して「超やねうら王」と名付け、「Cheap Learning」という新しい技術を搭載したことでも注目を集めました。

また、2018年には商用版「将棋神 やねうら王」をマイナビ出版から発売しました。この版は複数の思考エンジンを搭載してユーザーによる切り替えが可能でした。続編も計画されていましたが、具体的な発売日は未定となっています。

やねうら王の影響力は非常に大きく、2019年の世界コンピュータ将棋選手権では優勝し、決勝に残ったプログラムが全てやねうら王のライブラリを使用していました。2022年の優勝者はそのライブラリの重要性を強調し、やねうら王が与えた影響を語りました。

競技会成績

やねうら王は多くの競技会で数々の成果を収めています。特に2019年には世界コンピュータ将棋選手権で優勝し、以降の大会でもやねうら王ライブラリを使用したプログラムが次々と勝利を収めました。2020年には、国際大会「UEC杯」で改造版が優勝するなど、非常に高い競技力を示しています。

開発方針

開発者の磯崎は、やねうら王の設計において対局の優先度が高いことを強調しています。電王戦FINALでのインタビューでは、彼の将棋AIへの思いを語りました。やねうら王の開発は、常に進化し続けています。

結論

やねうら王は、将棋AIにおける重要な存在であり、その進化は多くの棋士やプログラマーに影響を与えています。これからの開発や競技での成長が期待されるプログラムです。

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