やまゆり号

概要

「やまゆり号」は、茨城県守谷市が運営し、関東鉄道に委託して運行されていたコミュニティバスです。1996年9月5日から2009年7月31日まで、市民の足として活躍しました。廃止後、翌日からは大幅に再編され、新たなコミュニティバス「モコバス」に引き継がれています。

このバスは、守谷駅、守谷市役所、守谷中央図書館といった主要施設と、市内の各地域を結ぶ役割を担っていました。1992年より、守谷町（現:守谷市）では公共施設への交通手段が不足していたため、町内バス路線の整備を検討していました。町民へのアンケート調査の結果、バスの必要性が高く、循環バスの運行を望む声が多かったことから、1996年に運行が開始されました。

運行開始当初は、曜日ごとに異なるルートを走る無料バスでしたが、2001年10月1日には、県内初のワンコインバスとして大幅に再編されました。5つのルートを設定し、有料化されました。その後もルートの再編が行われ、市民のニーズに応じた運行が続けられました。

「やまゆり号」の特徴は、一般の路線バスとは異なり、市役所や図書館を経由し、路線バスが通らない地域をカバーしていた点です。病院、高齢者養護施設、行政施設などを経由するようにルートが設定されていました。愛称は、公募によって決定され、市の花である山百合にちなんで名付けられました。

運賃

料金は大人100円、小人50円で、未就学児、障害者および介助者は無料でした。バス共通カードやPASMOは利用できず、200円で一日乗り放題の一日利用券が販売されていました。また、1回に限り無料で乗り継ぎができる乗り継ぎ券も用意され、特定の停留所でのみ利用可能でした。

沿革

1992年：町内バス路線整備の検討を開始。
1996年8月：コミュニティバスの名称を「やまゆり号」に決定。
1996年9月5日：守谷町コミュニティバス「やまゆり号」運行開始。
2002年2月2日：守谷町が市制施行。守谷市のコミュニティバスとなる。

廃止時路線

みずき野ルート

守谷駅西口の「やまゆり号バスターミナル」を起点に、守谷市役所、守谷中央図書館、守谷記念病院などを経由し、パークシティ守谷で路線バスの通る道に入り、守谷駅東口に至るルートでした。関東鉄道常総線の東側をカバーしていました。

北守谷ルート

守谷駅西口の「やまゆり号バスターミナル」を起点に、守谷市役所、守谷中央図書館を経由し、常総ニュータウン北守谷へ向かうルートでした。新守谷駅、北守谷公民館で折り返し、守谷駅西口に戻っていました。守谷市の北部をカバーしていました。

南守谷ルート

守谷駅西口の「やまゆり号バスターミナル」を起点に、守谷市役所、守谷中央図書館を経由し、ヒルズ美園、常総ニュータウン南守谷方面へ向かうルートでした。守谷市の南部をカバーしていました。

白寿荘・板戸井ルート

守谷駅西口の「やまゆり号バスターミナル」を起点に、守谷市役所、守谷中央図書館を経由し、国際交流センター、スポーツセンター、白寿荘方面へ向かうルートでした。守谷市の北西部をカバーしていました。

各ルートの主な停留所

みずき野ルート

やまゆり号バスターミナル→守谷市役所→守谷中央図書館→黒内小学校前→守谷記念病院前→会田記念病院入口→さくらの杜公園前→郷州公民館前→みずき野一丁目→南守谷駅入口→守谷郵便局→保健センター→守谷駅東口

北守谷ルート

やまゆり号バスターミナル→守谷市役所→守谷中央図書館→慶友病院前→御所ケ丘小学校前→新守谷駅→文化会館前→御所ケ丘→第一病院前→北守谷公民館前→（折り返し）→守谷駅西口

南守谷ルート

やまゆり号バスターミナル→守谷市役所→守谷中央図書館→松ケ丘七丁目→高野小学校前→美園一丁目→ジャスコ前→けやき台一丁目→南守谷駅→高野公民館前→けやき台中学校前→百合ケ丘三丁目→守谷駅西口

白寿荘・板戸井ルート

やまゆり号バスターミナル→守谷市役所→守谷中央図書館→国際交流センター前→四季の里公園入口→常総運動公園入口→守谷高校前→いこいの広場前→スポーツセンター前→白寿荘→峰林荘入口→大野小学校前→給食センター前→守谷駅西口

「やまゆり号」は、守谷市の地域公共交通を支えた重要な役割を担っていました。廃止後も、その役割は「モコバス」に引き継がれ、市民の生活を支え続けています。

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