ゆずのね 1997-2007

ゆずのベストアルバム『ゆずのね 1997-2007』：デビュー10周年を飾る珠玉の選曲

2007年10月3日に発売された『ゆずのね 1997-2007』は、日本のフォークデュオゆずの2枚目のベストアルバムです。デビュー10周年という節目を記念し、ゆずの二人がこれまで発表してきた楽曲の中から厳選された31曲が、2枚のディスクに収録されています。

このアルバムの最大の特徴は、メンバー自ら楽曲を選曲している点です。長年にわたる活動の中で発表された数々の楽曲の中から、ゆずの二人が特に思い入れのある曲、そしてファンの間でも人気の高い楽曲が選ばれています。そのため、単なるヒット曲集ではなく、ゆずの音楽遍歴を凝縮したような、ファンにとってまさに垂涎のベスト盤と言えるでしょう。

さらに、『ゆずのね 1997-2007』には、これまでネット配信限定でしか聴くことができなかった楽曲や、配信終了によって入手困難となっていた楽曲も収録されています。例えば、「今夜君を迎えに行くよ」や「アゲイン」といった楽曲は、このアルバムで初めてCD化され、多くのファンを喜ばせました。これらの楽曲を含め、過去に発売されたベストアルバム『Going』『Home』とは重複する曲が一切ない構成となっており、まさにこのアルバムでしか聴くことのできない特別な選曲が実現しています。ただし、シングル曲は収録されていませんので、ご注意ください。

アルバムのジャケットデザインも魅力的です。10年間で発表された10枚のオリジナルアルバムのジャケットが、まるで木の実のように木に生っている様子が描かれています。遊び心のあるデザインの中に、ゆずの10年間の歴史が凝縮されているかのようです。また、ジャケットの左部分にはひらがなで「ゆず」、根っこの部分には「YUZU」という隠し文字がデザインされています。細部までこだわり抜かれた、ファン心をくすぐるデザインと言えるでしょう。

初回限定盤には、スペシャルBOX仕様に加え、DVDとゆずの二人による楽曲セルフライナーノーツが付属しています。DVDには、「ゆずのえ？〜ぼくらの10年観〜」と題された映像作品が収録されており、関根勤さんのナレーションとともに、ゆずの10年間の軌跡が振り返られています。また、過去の映像などを用いた「境界線」のミュージックビデオも収録されています。

収録曲は、初期のアルバム『ゆずの素』、『ゆずマン』、『ゆず一家』、『ゆずえん』からの人気曲に加え、『トビラ』、『ユズモア』、『すみれ』、『1 〜ONE〜』、『リボン』といったアルバムからの楽曲がバランス良く収録されています。それぞれの楽曲には、初出アルバム名と発売日が記載されており、ゆずの音楽の歴史を辿る上で貴重な情報となっています。また、一部楽曲には、アルバム収録時とは異なるバージョンが収録されているなど、聴きどころ満載の内容となっています。例えば、「てっぺん」や「空模様」では、演奏前のMCが収録されており、ライブ会場の臨場感を味わうことができます。一方、「幸せの扉」では、「トビラ」に収録されていたドアを開く音が省略されています。このように、細部にもこだわりが感じられる、まさにファン垂涎のベストアルバムと言えるでしょう。当初は価格設定が異なっていたものの、変更を経て発売された『ゆずのね 1997-2007』は、ゆずの10年間の活動を凝縮した、まさに記念碑的な作品と言えるでしょう。

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