ゆり2号b

ゆり2号b (BS-2b) について

ゆり2号bは、日本の宇宙開発事業団、現在のJAXAが1986年に打ち上げた静止放送衛星です。この衛星は、テレビ放送の難視聴地域を解消することや、衛星テレビ放送技術の進展を目指していました。

打ち上げ

1986年2月12日、種子島宇宙センターから使用されたN-IIロケット7号機により、ゆり2号bは宇宙へと旅立ちました。この時期、衛星放送の普及が進みつつあり、より多くの地域で安定した受信環境を提供することが求められていました。

背景と目的

ゆり2号bが打ち上げられた背景には、1984年に打ち上げられたゆり2号aの送信設備に関する問題がありました。この衛星では、一部の太陽電池に不具合が生じていたため、当初予定されていた2チャンネル体制での放送が不可能になっていました。このため、ゆり2号bは、NHK衛星第1テレビジョンをBS-15chで放送するに留まっていた状況を補完する役割が求められたのです。

その結果、1986年12月には、NHK衛星第2テレビジョンがBS-11chでの放送を開始しました。この新たな放送チャンネルの開設により、視聴者はより多くのテレビ番組を楽しむことができるようになりました。

技術的課題とその後

ゆり2号bは、当初の目的を果たしたものの、その後1990年には、NHKとWOWOW（当時の日本衛星放送）が新たに打ち上げたゆり3号aを利用して衛星放送を開始することになりました。これにより、ゆり2号bは一次的に役割を終えることとなります。しかし、ゆり3号aも太陽電池に問題があり、1991年5月から8月の間、ゆり3号bが打ち上げられるまでの期間、一時的にゆり2号bが再度使用されることになりました。その際、主に深夜から早朝にかけて、ゆり3号aとの交互運用が行われ、WOWOWはこの期間に放送を休止せざるを得ませんでした。

軌道と位置

ゆり2号bは、静止衛星軌道に配置され、東経110度の位置で安定した通信を行うよう設計されていました。この静止位置は、日本国内の広範な地域に対して放送信号を均等に届かせるために重要でした。

関連項目

ゆり2号bは、ゆりシリーズの一部として位置づけられています。このシリーズには、前述のゆり2号aや後続の放送衛星といった他の衛星も含まれています。また、N-IIロケットの打ち上げに関する技術や、人工衛星の軌道に関する研究も行われています。

外部リンク

興味のある方は、以下のリンクからさらなる情報を得ることができます。

• - 宇宙航空研究開発機構（JAXA）
• - 旧宇宙開発事業団の資料
• - NSSDCマスターカタログを見る

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