ゆるしません!

ゆるしません!

『ゆるしません!』は、1980年10月2日から1981年3月26日にかけて、関西テレビの制作によりフジテレビ系列で放送されたテレビドラマシリーズです。毎週木曜日の夜10時30分から11時00分までの30分枠で、全25話が放送されました。後に2007年にはCS放送のファミリー劇場でも再放送されるなど、時代を超えて視聴される機会がありました。

作品概要

このドラマは、阪急電鉄が提供する「阪急ドラマシリーズ」の一作品として制作されました。オープニングタイトルには日本語の「ゆるしません!」に加え、「Don't do it!」という英語のサブタイトルが付されていました。

ストーリーと舞台

物語の中心となるのは、神戸港南署に勤務する22歳の若手女性巡査、木山めぐみです。当初は交通課に所属していましたが、長年の希望が叶い、スリ事件の捜査を担当する刑事第二課へと転属します。

ドラマの主な舞台は兵庫県の神戸市周辺、具体的には神戸市、宝塚市、西宮市、伊丹市などでロケーション撮影が行われました。神戸周辺を駆け巡るめぐみは、様々な事件に関わる中で、多様な背景を持つ人々と出会い、交流を深めていきます。これらの経験を通じて、彼女は刑事としてだけでなく、一人の女性としても成長していく姿が描かれます。

単なる事件解決にとどまらず、主人公めぐみと彼女の家族、すなわち庭師を営む頑固ながらも温かい父・源次郎、港南署近くでスナック喫茶を経営する離婚歴のある姉・千代子、イラストレーターの妹・珠子との家族愛や絆が丁寧に描かれている点も特徴です。また、捜査現場における同僚刑事たちとのユーモラスなやりとりも作品に彩りを添えています。

主な登場人物とキャスト

個性豊かな登場人物たちが物語を盛り上げます。主要なレギュラーキャストは以下の通りです。

木山めぐみ: 友里千賀子
主人公。神戸港南署刑事（巡査）。木山家の次女で22歳。明るく活発で正義感が強く、負けず嫌いな性格。
木山源次郎: 田崎潤
めぐみの父。「南風園」を経営する庭師。ガンコ親父だが娘たちを温かく見守る。
木山千代子: 小川より子
木山家長女で29歳。港南署近くのスナック喫茶「えるふ」の経営者。離婚歴あり。
木山珠子: 朝吹奈央
木山家三女で20歳。イラストレーター。めぐみを「ちゃい姉ちゃん」と呼ぶ。演じる朝吹は宝塚歌劇団出身。
水原勝也: 真夏竜
捜査一課刑事。横浜出身で、めぐみに好意を寄せる。
松山: 船戸順
防犯課長から刑事第一課長へ。めぐみの理解ある上司であり、喫茶「えるふ」の常連。千代子との関係も描かれる。
伊沢: 田畑猛雄
刑事第二課長。めぐみが転属する部署の責任者。
まゆみ: 村瀬智子
喫茶「えるふ」の店員。
* 西山順子: 朝比奈潔子
捜査二課刑事。転属後のめぐみの先輩（第5話から登場）。

他にも、木山三姉妹の叔母で母代わりとなる水原房江（荒木雅子）、めぐみのファンとなる捜査一課の田村刑事（田渕岩夫）、同じく捜査一課の伊藤刑事（桂朝丸／現・桂ざこば）、お調子者の吉田刑事（明石家さんま ※初期エピソードのみ）、めぐみが更生を信じる青年・酒井光夫（岡本隆成 ※初期エピソード）、そしてめぐみの宿敵となるスリの名人・銀子ことお銀（正司照江 ※第5話以降）など、多彩なキャストが出演しました。

制作背景

ドラマの主な舞台となる「神戸港南署」の外観には、神戸市中央区に実在する兵庫県警葺合警察署の建物が使用されています。制作には、関西テレビ放送と宝塚映画が携わりました。プロデューサーは栢原幹、保田善生、堀内真郎、脚本は布勢博一、田代淳二が担当。音楽は青山八郎、監督は林宏樹、高野昭二、三浦紘らが務めました。

この作品は、人情味あふれるドラマとコミカルなタッチを織り交ぜながら、主人公の成長を描き出し、当時の視聴者に親しまれました。

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