わが町 (テレビドラマ)

わが町

『わが町』は、1992年から1998年まで日本テレビ系列の「火曜サスペンス劇場」で放送された、全10回の刑事ドラマシリーズです。主演は渡辺謙が務めました。このドラマは、アメリカの作家エド・マクベインの代表作『87分署シリーズ』を原案としており、一話完結形式で展開されるサスペンスドラマです。

あらすじ

物語の舞台は、東京都心に近いながらも下町情緒が残る月島。この町を管轄する西月島警察署の刑事たちが、様々な事件に挑みます。原作のストーリーをベースにしつつ、当時の日本の社会問題や世相を反映させた内容が特徴です。刑事たちの人間関係や、それぞれの抱える悩み、葛藤が事件と並行して描かれ、視聴者を惹きつけました。

登場人物

西月島警察署

森田吾郎（演：渡辺謙）
刑事課の刑事で、階級は巡査部長。熱血漢で正義感が強く、家族を愛する家庭人。愛称は「ゴロー」。
モデルはスティーブ・キャレラ。
黒土朝男（演：佐藤B作）
刑事課の刑事で、階級は警部補。愛称は「クロ」。
浮気を繰り返すため、妻との関係に問題を抱えている。
モデルはアーサー・ブラウン。
向井春雄（演：平田満）
刑事課の刑事で、階級は巡査部長。独自の捜査方法を持ち、同僚と対立することも。
女性に不信感を抱いている。
モデルはハル・ウィリス。
栗山隼人（演：川野太郎）
刑事課の刑事で、階級は巡査部長。
過去の事件で恋人を亡くしている。
モデルはバート・クリング。
綿貫勝（演：松井範雄）
刑事課の刑事で、階級は警部補。
おしゃべりで怒りっぽい性格。
モデルはコットン・ホース。
坂東清文（演：勝部演之）
刑事課の課長で、階級は警部。部下を信頼し、的確なアドバイスを与える。
モデルはピーター・バーンズ。
鳴海成巳（演：蟹江敬三）
刑事課の刑事で、階級は警部補。愛称は「鳴さん」。
家族を大切にしている。
モデルはマイヤー・マイヤー。

警察関係者の親族

森田繭（演：有森也実）
吾郎の妻で、聴覚障害を持つ。手話でコミュニケーションを取る。
モデルはテディ・キャレラ。
黒土千晶（演：佐藤直子）
黒土の妻。夫の浮気に悩まされている。
小林トシ (演：橋本菊子)
繭と若菜の祖母。
森田太郎（演：清水颯月）
吾郎と繭の息子。
鳴海睦子（演：立石凉子）
鳴海の妻。
小林ノブ（演：春川ますみ）
繭の母で、惣菜屋を営む。

主なゲスト出演者

各話ごとに様々な俳優がゲストとして登場しました。以下はその一部です。

根岸季衣
黒田福美
西沢利明
美保純
冨士眞奈美
左時枝
大寶智子
綿引勝彦
川上麻衣子
馬野裕朗
海野けい子
久野真紀子
竹井みどり
長谷川真弓

スタッフ

原作: エド・マクベイン
企画: 長富忠裕（日本テレビ）
脚本: 鎌田敏夫
音楽: 福井峻、大谷和夫、丸谷晴彦
監督: 吉川一義、森崎東、木下亮、出目昌伸
ナレーター: 石原良、益富信孝、湯浅実
プロデューサー: 長富忠裕、赤司学文、石川好弘
制作: 日本テレビ
製作著作: 近代映画協会、オセロット

特徴

このドラマの特徴として、主人公の妻が聴覚障害者であるという設定が挙げられます。彼女とのコミュニケーションは手話が中心で、そのやり取りが自然に描かれている点が評価されました。また、舞台となった月島は、下町の雰囲気を残しつつも、都会的な要素も持ち合わせており、ドラマのリアリティを高める要素となりました。

エピソード

原作の映像化権の関係で、エピソードの選出に苦労した。
花火大会のシーンは、実際の開催日にゲリラ撮影された。
* 第1作の西月島署のセットは、「はぐれ刑事純情派」のセットを流用していた。

関連情報

このドラマは、現在でもBS放送などで再放送されることがあり、多くの視聴者に愛されています。放送当時、同じく聴覚障害者を主人公にしたドラマがいくつか制作されましたが、本作は、手話の表現や、登場人物の心情描写がより自然であると評価されました。

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