わんぱくフリッパー

ワンパクフリッパー：海洋冒険ドラマの軌跡

1964年、アメリカで誕生したテレビドラマ『わんぱくフリッパー』（原題：Flipper）は、家族とイルカの心温まる物語で、世界中で愛された人気シリーズです。全88話に渡るこの海洋冒険ドラマは、フロリダ州の架空の州立自然公園、コーラル・キー自然公園を舞台に展開します。

リックス一家と仲間たち

主人公は、自然保護官であるポーター・リックスとその息子たち、サンディとバド。彼らと暮らすイルカのフリッパー、ペリカンのピート、そして犬のスプレー。個性豊かな仲間たちが織りなす、海の冒険は子供から大人まで魅了しました。

キャストと日本語吹替版

アメリカではブライアン・ケリーがポーター・リックスを、ルーク・ハルピンがサンディを、トミー・ノーデンがバドを演じました。日本での放送では、日本語吹替版が制作され、ポーター役を矢島正明さん、サンディ役を朝倉宏二さん、バド役を中村メイコさんが担当しました。

日本での放送

フジテレビ系列局では、1966年から1967年にかけて第1期、1968年に第2期の放送がされました。放送時間は時期によって異なり、複数の系列局でも放送され、地域によって放送時間や曜日が異なっていました。残念ながら、日本語吹替版の原盤は現存しておらず、再放送やソフト化は困難な状況です。しかし、1989年にはTBS系列の番組で一部が紹介されました。また、1992年にはVHSが発売されています。

主題歌

『わんぱくフリッパー』の主題歌は、映画版から使用されており、1996年のリメイク版映画でも挿入歌として用いられました。日本では、滝田順さんの訳詞で、東京少年少女合唱隊や西六郷少年少女合唱団によって歌われました。フルバージョンは3番までありますが、テレビ放送では1番の歌詞の一部のみが使用されていました。

イルカ、フリッパー

ドラマを彩るイルカ、フリッパー役には5頭のイルカが起用され、リック・オバリー氏によって調教されました。しかし、撮影中の事故やストレスにより、一頭が亡くなったことが、オバリー氏のイルカ解放活動家への転身につながったというエピソードも伝えられています。最後のフリッパー役を演じたイルカ、ベベは40歳まで生き、野生イルカの寿命と比較しても長寿であったことから、大切に飼育されていたことがわかります。

映画版とリメイク版

テレビシリーズに先立ち、1963年に映画版『フリッパー』が公開されました。続編『頑張れフリッパー』も制作され、この作品で父親役を演じたブライアン・ケリーは、テレビ版にも出演しました。1990年代には、ジェシカ・アルバ主演のリメイク版テレビドラマや、イライジャ・ウッド主演のリメイク版映画も制作されています。

撮影地と関連情報

テレビ版と映画版の撮影には、マイアミ・シークアリウムが使用されました。日本語版主題歌は『アニソン100』に収録されています。

結論

『わんぱくフリッパー』は、イルカと人間の絆、自然との共存、家族の温かさといった普遍的なテーマを描き、世代を超えて愛される作品となりました。日本語吹替版の現状は残念ですが、その魅力は、多くの視聴者の記憶の中に生き続けています。

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