アウトードロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェ

アウトードロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェ（Autódromo Internacional do Algarve）は、ポルトガル南部に位置するサーキットで、特にモータースポーツファンにはよく知られています。このサーキットは、周辺のリゾート地アルガルヴェ地方にあるため、観光スポットとしても人気です。一般にはアルガルヴェ・インターナショナル・サーキットまたはポルティマオ・サーキットとも呼ばれています。

サーキットの概要

アルガルヴェ地方の美しい丘陵地帯に位置し、2008年10月に完成しました。建設には約1億9,500万ユーロ、つまり約244億円というコストがかけられました。サーキットは国際モーターサイクリズム連盟（FIM）と国際自動車連盟（FIA）からのホモロゲーションを取得しており、その品質と安全性が保証されています。

この地域はアルガルヴェ・モーターパークと呼ばれ、サーキット以外にもカートレース場、ダートトラック、リゾートホテル、レストラン、ビジネススペース、そして居住用アパートなど、さまざまな施設が揃っています。これにより、訪れるモータースポーツファンや観光客には非常に多彩な体験が提供されています。

コースの特徴

このサーキットの最大の特長は、地形の起伏に富んだ波のようなコースレイアウトです。このため、しばしば「ハイスピード・ローラーコースター」と称されます。コース内には多くのブラインドコーナーが存在し、ドライバーにとっては加速や減速を厳しく要求される難解なコースです。

具体的には、全長969メートルのメインストレートの終わりにある1コーナーや、バックストレートの終点にある5コーナーは、急な下り坂が続いているため、ブレーキングのテクニックが勝負を決する重要なポイントとなります。また、5コーナーを過ぎると傾斜が上昇し、11コーナー付近がコースの最高点となります。12コーナーを過ぎた後は再び降下し、14コーナーから15コーナーにかけての右回りの旋回は、タイヤに大きな負荷をかけます。

特に9コーナーは、スーパーバイク世界選手権のレースで死亡事故を起こしたクレイグ・ジョーンズの名前がつけられており、記憶に残る場所となっています。

主なイベント

アウトードロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェは、開業から様々な国際的なモータースポーツイベントを開催しています。2008年11月2日には、国際規格レースとして最初の二輪レース「スーパーバイク世界選手権」が行われ、多くの観客を魅了しました。さらにF1のオフシーズンテストでは、2008年12月に世界的に著名なチームが集まり、サーキットの評価が高まりました。

その後、四輪イベントも充実して行われ、特に2009年4月にはA1グランプリが、さらにル・マン・シリーズやFIA GT選手権などが続いて多くのレースを実現しています。

F1のポルトガルGPの復活については、2017年から交渉が進められていましたが、2020年に新型コロナウイルス感染症の影響で開催が見込まれる欧州外のグランプリが多数キャンセルされたことにより、アルガルヴェでの開催が決定しました。これにより、エストリルで行われた1996年以来、24年ぶりのF1開催となったのです。

また、MotoGPも同様に、2020年シーズンの最終戦として開催され、こちらも8年ぶりとなる特別なレースとなりました。サーキットは、今後もモータースポーツ界において重要な役割を果たしていくことが期待されています。

このように、アウトードロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェは、その魅力的なレイアウトと豊富な歴史から、国際的なモータースポーツイベントの舞台としても広く認知されています。

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