アオハラニシブッポウソウ

アオハラニシブッポウソウ

アオハラニシブッポウソウ（青腹西仏法僧、学名：Coracias cyanogaster）は、鳥類分類においてブッポウソウ目に属するブッポウソウ科の一種です。その名前が示すように、鮮やかな青い腹部を持つことが最大の特徴であり、アフリカ大陸に生息しています。

形態

この鳥の体長は、およそ28センチメートルから30センチメートルになります。その大きさは、一般的なニシコクマルガラスと同程度です。外見上の顕著な特徴として、背中側は暗い緑色をしていますが、頭部、首、そして胸の部分は対照的に白い羽毛に覆われています。そして、体の他の部分、特に腹部から下にかけては、目を引く鮮やかな青色をしています。学名の種小名「cyanogaster」は、古代ギリシャ語で「青い腹」を意味しており、この特徴は和名であるアオハラニシブッポウソウや英名の「Blue-bellied Roller」と共通する命名の由来となっています。

成熟した個体の尾羽には、最大で6センチメートルもの長さになる特徴的な飾り羽が見られます。オスとメスで外見上の違いはほとんどなく、性別を判断するのは困難です。一方、幼鳥は成鳥に比べて、全体的な羽の色合いがやや地味で、鮮やかさに欠ける傾向があります。

その体色は非常に印象的で、鮮やかな青色が暗緑色の背中や白い頭部と見事なコントラストをなしています。特に、長い飾り羽をなびかせながら、力強くまっすぐな飛行を見せる姿は、遠くからでも容易に見つけることができます。

生態

アオハラニシブッポウソウは、主にアフリカ大陸の湿潤なサバンナ環境に生息しています。特に、マメ科のイソベルリニア属の木が多く茂るような地域を好んで生息域としています。この鳥は一年を通して特定の地域に留まる留鳥であり、大規模な渡りを行う習性はありませんが、季節によってわずかに生息場所を移動することがあります。暖かく、樹木が点在するような開けた土地で比較的よく観察される鳥です。

狩りの際には、周囲を見渡せる高い場所を利用します。例えば、木の上や、人が立てた杭、電線といった目立つ場所にとまり、そこから地面を観察して獲物が現れるのを待ち伏せます。主に捕食するのは、バッタのような比較的大きな昆虫類です。

繁殖期に見られる求愛行動の一つとして、特徴的なディスプレイ飛行を行います。このディスプレイは、他の鳥であるタゲリのそれと似ており、飛行中にめまぐるしく、そして突然方向を変える動きを繰り返します。この「ころころと転がる」ように見える飛行から、英語では「Roller」（転がるもの）という名が付けられました。巣は、木の幹に自然にできた穴や、他の生き物によって作られた穴（木のうろ）を利用して営巣します。

鳴き声は「ガ・ガ・ガ」という音で表現されることが多く、その声は非常に甲高く、人によっては耳障りに感じられることがあります。

分布

アオハラニシブッポウソウの繁殖が確認されている分布域は、アフリカ大陸の西部にあるセネガルから始まり、東は中央アフリカに位置する現在のコンゴ民主共和国（かつてのザイール）の北東部にまで及びます。比較的限定されたこの地域内で、前述のような湿潤なサバンナ環境を好んで生息しています。

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