アキラ (格闘家)

アキラは、1987年1月18日に長野県塩尻市で生まれた日本の男性総合格闘家である。武蔵村山さいとうクリニック/&MOSHに所属し、かつてはパンクラスのライト級王者としてその名を馳せた。

彼の格闘技への道は、幼い頃からの漠然とした憧れに端を発する。中学校・高校時代には剣道部に所属し、その後、日本体育大学では体操部で活動していた。しかし、心の底には常に格闘家への熱い想いを抱いていた。その気持ちが決定的なものとなったのは、2005年に開催されたPRIDEライト級グランプリの決勝戦、五味隆典と桜井“マッハ”速人による激闘を目にした時である。この試合に深く感銘を受けた彼は、友人に誘われた五味隆典のジム見学をきっかけに、久我山ラスカルジムの門を叩いた。大学2年次からは体操部を退部し、総合格闘技一本に絞って本格的なトレーニングを開始する。

プロデビュー前は、アマチュア総合格闘技の舞台で実戦経験を積んだ。特にコンバットレスリングでは優れた成績を残し、全日本コンバットレスリング選手権の73kg級では2010年と2012年に優勝を果たしている。

2010年4月24日、修斗のマットでプロ総合格闘家としてのキャリアをスタートさせた。その後、2013年からは主戦場をパンクラスに移し、日本の主要な総合格闘技団体の一つであるパンクラスで数多くの試合を経験することになる。

パンクラスでは、ライト級戦線のトップクラスで戦いを繰り広げた。2017年4月23日には徳留一樹と対戦するもTKO負けを喫し、2020年7月24日のISAO戦では判定で敗れるなど、苦戦も経験した。しかし、着実に力をつけ、2021年5月30日には松本光史を相手にTKO勝利を収める。

2021年10月24日には、日本のメジャー団体であるRIZINに初参戦を果たした。RIZIN.31の舞台で、当時DEEPウェルター級暫定王者であった阿部大治と対戦。この強敵を相手に、2ラウンドに得意のノースサウスチョークによる一本勝ちを決め、RIZINファンに鮮烈なインパクトを残した。

パンクラスに戻ると、再び王座戦線に浮上する。2022年9月11日、PANCRASE 329で行われたライト級暫定キング・オブ・パンクラス決定戦で、再び松本光史と対峙。この試合では3ラウンドに左スーパーマンパンチによる劇的なKO勝利を飾り、暫定王座獲得という大きな成果を手にした。さらに2023年4月30日、PANCRASE 333でのライト級キング・オブ・パンクラス王座統一戦では、正規王者である久米鷹介との頂上決戦に臨む。接戦の末、2-1の判定で勝利を収め、見事に王座統一を果たし、第8代ライト級キング・オブ・パンクラシストとなった。

しかし、その後の戦いでは厳しい結果も続いた。2023年7月30日、「超RIZIN.2」ではルイス・グスタボの欠場を受けて緊急参戦し、強豪トフィック・ムサエフと対戦。2ラウンドにスタンドでのパンチ連打を受け、KO負けを喫した。そして2024年3月31日、PANCRASE 341で行われたタイトルマッチでは、挑戦者・雑賀“ヤン坊”達也のハイキックを浴びて1ラウンドKO負け。王座から陥落することとなった。

アキラを語る上で欠かせないのが、彼の愛称「腹筋ゴリラ」である。このリングネームはかつての憧れである五味隆典が考案したと言われる。その名の通り、彼の腹筋は異常なまでに発達しており、驚異的な強度を誇る。この強靭さは数々のエピソードを生んでおり、特に元修斗世界王者の石渡伸太郎のYouTubeチャンネルで公開された「腹パン動画」シリーズは大きな話題となった。ヘビー級ボクサーやムエタイ王者が全力でパンチや膝蹴りを繰り出しても、アキラの腹筋には全くダメージを与えられない様子が映し出され、その人間離れした頑丈さが証明された。

これまでにアキラが獲得した主なタイトルは以下の通りである。

第15回全日本コンバットレスリング選手権 73kg級 3位（2009年）
第16回全日本コンバットレスリング選手権 73kg級 優勝（2010年）
第17回全日本コンバットレスリング選手権 73kg級 優勝（2012年）
第1回 南関東アマチュア修斗選手権 ミドル級 優勝（2009年）
第6回 東日本アマチュア修斗オープントーナメント ウェルター級 優勝（2009年）
プロフェッショナル修斗新人王決定トーナメント ウェルター級 準優勝（2010年）
パンクラス8人日本選抜vs.8人世界選抜 ワールドスラムトーナメントライト級 準優勝（2015年）
ライト級暫定キング・オブ・パンクラシスト（2022年）
* 第8代ライト級キング・オブ・パンクラス王座（2023年）

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