アサイラム (映画会社)

アサイラム（The Asylum）

アサイラム（The Asylum）は、1997年にデヴィッド・マイケル・ラット、デヴィッド・リマゥイー、シェリー・ストレインの3人によって設立された、アメリカ合衆国カリフォルニア州に拠点を置く映画製作スタジオ兼映画配給会社です。

会社構成

アサイラムは、以下の3つの部門で構成されています。

グローバル・アサイラム（The Global Asylum）: 海外配給を担当。
アサイラム・ホーム・エンターテインメント（The Asylum Home Entertainment）: アメリカ合衆国内の配給を担当。
アサイラム・スタジオ（The Asylum Studios）: 映画の製作を担当。

作品の特徴

アサイラムの作品は、低予算かつ短期間で撮影される低コスト映画（いわゆるB級映画）が中心です。劇場公開を前提としないオリジナルビデオ映画として製作され、過剰なスプラッター描写やエロティックな場面を盛り込む傾向があります。

モックバスター戦略

アサイラムの最大の特徴は、大手映画会社の製作する有名タイトルへの便乗・模倣（モックバスター）作品を多数製作することです。例えば、ワーナー・ブラザースの『ホビット 思いがけない冒険』の劇場公開に合わせて『Age of the Hobbits』をリリースしようとしたところ、訴訟に発展し、最終的にタイトルを変更してリリースされました。

しかし、このような経緯があったにもかかわらず、アサイラムが製作したTVドラマ『Zネーション』はワーナー・ブラザースが配給を担当しています。

日本市場への注力

日本の配給会社からの要求を取り入れた映画も多く、『メガ・シャークVSジャイアント・オクトパス』などがその例です。国別の売り上げ比率でも日本が多く、日本のみで劇場公開される作品も存在します。

評価

アサイラムの作品は、国内外を問わず総じて酷評される傾向にあります。「粗製濫造」「盗作」といった批判も少なくありません。しかし、Syfyで放映された単発長編テレビドラマ『シャークネード』は、そのオリジナリティが評価され、シリーズ化されました。完結編にあたる第6作は日本限定で劇場公開されています（4DX上映のみ）。

主な製作・配給映画

アサイラムが製作・配給の両方を担当した主な映画を以下に示します。

フラッシュ&デッド （Killers）
Wildflower
ウルトラ・スパイ/マックス・ナイト （Max Knight: Ultra Spy）
案山子男 （Scarecrow）
案山子男2 復讐の雄叫び （Scarecrow Slayer）
キング・オブ・バイオレンス （King of the Ants）
デス・バレー 〜ブラッディ・ビルの復讐〜 （Death Valley: The Revenge of Bloody Bill）
EVIL NOTE イーブルノート （Evil Eyes）　【DEATH NOTE デスノート】
リターン・オブ ヴァン・ヘルシング ネクスト・モンスターズ （Way of the Vampire）　【ヴァン・ヘルシング】
H.G.ウェルズ 宇宙戦争 -ウォー・オブ・ザ・ワールド- （War of the Worlds）　【宇宙戦争（War of the Worlds）】
デッドマンズ・プリズン DEAD MAN'S PRISON （Dead Men Walking）
インターメディオ （Intermedio）
リージョン・オブ・ザ・デッド 〜ミイラ再生〜 （Legion of the Dead）
キング・オブ・ロストワールド （King of the Lost World）　【失われた世界（The Lost World）】【キング・コング（2005）（King Kong）】
アサルトD （Shapeshifter）
フランケン・ライジング （Frankenstein Reborn）
Jolly Roger -レジェンド・オブ・パイレーツ- （Jolly Roger: Massacre at Cutter's Cove）
ザ・ビースト 〜ブレイロードの悪夢〜 （The Beast of Bray Road）
エイリアン シンドローム （Alien Abduction）

主な製作テレビドラマ

シャークネード （Sharknado）
シャークネード カテゴリー2 （Sharknado 2: The Second One）
シャークネード エクストリーム・ミッション （Sharknado 3: Oh Hell No!）
シャークネード4 （Sharknado: The 4th Awakens）
シャークネード5 ワールド・タイフーン （Sharknado 5: Global Swarming）
シャークネード ラスト・チェーンソー 4DX （The Last Sharknado: It's About Time）

常連スタッフ

デヴィッド・マイケル・ラット（製作、監督、脚本、編集、VFX）
デヴィッド・リマゥイー（製作、製作総指揮）
シェリー・ストレイン（製作）
リー・スコット（監督、脚本）

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