アジアーゴ

アジアーゴ：歴史と自然が織りなす高原都市

アジアーゴ（Asiago）は、イタリア北東部、ヴェネト州ヴィチェンツァ県に位置する基礎自治体（コムーネ）です。人口は約6,500人で、アジアーゴ高原の中心に位置し、この地域最大の人口を擁します。歴史的には、ドイツ語系のチンブロ語を話す人々が自治を保っていた「セッテ・コムーニ」の中心地として知られ、第一次世界大戦の激戦地でもありました。

名称と歴史

アジアーゴは、歴史的にチンブロ語というドイツ語系の言語が話されていました。現在でも、チンブロ語で「Sleghe」、ドイツ語で「Schlägen」と呼ばれています。日本語では、「アジアゴ」と表記されることもあります。

古代にはすでに人が定住しており、中世にはアジアーゴ高原の7つの都市が同盟を結び、その中心地として栄えました。1310年に結ばれた同盟「セッテ・コムーニ」は、約5世紀にわたり自治を行いましたが、ナポレオン戦争によってその自治権を失いました。

近代には、第一次世界大戦のイタリア戦線において激戦地となり、アジアーゴの市街地も大きな被害を受けました。特に1916年のアジアーゴの戦いでは、多くの犠牲者が出ました。戦後、街は復興し、戦没者を祀る記念碑が建てられました。

地理

アジアーゴは、ヴィチェンツァ県の北端に位置し、アジアーゴ高原に広がっています。市域は162.99km²と広く、県内で最も広大な面積を誇ります。北部には山岳地帯が広がり、中心市街は南部に位置しています。県都ヴィチェンツァからは北へ約37km、トレントからは南東へ約37km、州都ヴェネツィアからは北西へ約79kmの距離にあります。

文化と観光

アジアーゴは、冬はノルディックスキー、夏はハイキングやサイクリングが楽しめるリゾート地として人気があります。また、アジアーゴ・チーズの産地としても有名で、DOP（原産地名称保護制度）によって保護されています。アジアーゴで規定に従って生産されたものだけが、アジアーゴ・チーズと名乗ることができます。このチーズは、熱を少し加えたグラーナタイプで、ペコリーノに似た平らで丸い形状が特徴です。

第一次世界大戦の激戦地であったことから、市内には軍人墓苑や記念碑が建てられ、歴史を偲ぶことができます。特に軍人墓苑は、ヴィチェンツァ県のシンボルの一つとなっています。また、アジアーゴの戦いに従軍した作家のエミリオ・ルッスは、自身の著書『戦場の一年』でこの戦闘を描いています。また、作家のアーネスト・ヘミングウェイもこの地で戦った一人です。

天文台

アジアーゴには、パドヴァ大学が所有するアジアーゴ天文台と、イタリア国立天文学研究所（INAF）のアジアーゴ・チーマ・エカール天文台の2つの天文台があります。特にアジアーゴ・チーマ・エカール天文台では、1999年からアジアーゴDLR小惑星サーベイが行われ、地球近傍天体の観測が行われています。

スポーツ

アジアーゴは、アイスホッケーチームHC Asiagoと、インラインホッケーチームAsiago Vipersの本拠地でもあります。

交通

アジアーゴには、アジアーゴ空港があります。

その他の情報

アジアーゴの著名な出身者には、作家のマーリオ・リゴーニ・ステルンやスピードスケート選手のエンリコ・ファブリスがいます。

アジアーゴは、歴史、自然、文化、スポーツなど、様々な魅力を持つ場所です。訪れる人々を魅了するこの地で、ぜひその魅力を体験してください。

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