アスコルド

アスコルド（またはオスコルド）は、9世紀のキエフ公国の公であり、半伝説的な存在として知られています。彼はジールと共にキエフを支配していました。

出自とキエフへの進出

『原初年代記』によれば、アスコルドはノヴゴロドを支配していたヴァリャーグのリューリクの部下でした。862年、リューリクはアスコルドとジールを南方に派遣し、二人はドニプロ川を下ってキエフを発見し、そこを統治するようになったとされています。しかし、現代の歴史学研究では、彼はリューリクの部下ではなく、キエフの現地公朝の代表の一人であったとする説も有力です。

コンスタンティノポリス襲撃

866年、アスコルドとジールの軍勢はコンスタンティノポリスを襲撃しました。この戦いはルーシ側にとって惨敗に終わったとされています。しかし、当時のギリシア側の記録には、ルーシ族の兵士が命と引き換えに洗礼を受けたと記されており、この襲撃がルーシのキリスト教化に繋がるきっかけになったとも考えられています。

オレグによる暗殺

882年、リューリクの死後、その上意に従ったオレグというヴァリャーグの長が兵を率いてキエフへ向かいました。オレグはアスコルドとジールを欺いて殺害し、キエフを奪って都を構えました。アスコルドの死は、キエフにおけるヴァリャーグの支配を確立する上で重要な出来事でした。

アスコルドは、その生涯において数々の伝説的な出来事を経験し、キエフ公国の初期の歴史において重要な役割を果たしました。彼の出自やコンスタンティノポリス襲撃の真相など、不明な点も多く残されていますが、その名は後世にまで語り継がれています。

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