アストラ・インターナショナル

アストラ・インターナショナル：インドネシアを代表する複合企業

アストラ・インターナショナル（Astra International）は、インドネシアを拠点とする大手コングロマリットです。1957年、Tjia Kian TieとWilliam Soeryadjayaによって設立された当初は、小規模な貿易会社としてスタートしました。彼らは1940年代から貿易事業を手掛けており、当初はフルーツジュースや青果などの食料品、その他の農産物を取り扱っていました。

幅広い事業展開

アストラは長年にわたり成長を続け、現在ではインドネシア国内で最大の自動車生産・販売数を誇る企業となりました。トヨタ自動車、ダイハツ工業、いすゞ自動車など、日本の大手自動車メーカーと提携関係にあります。

自動車関連事業だけでなく、金融サービス、重機、アグリビジネス、情報技術（IT）、インフラ整備など、幅広い分野で事業を展開しており、複数のグローバル企業と戦略的提携を結んでいます。2007年末時点で、アストラグループは18万人もの従業員と160の子会社を抱える巨大企業となっています。

経営体制と主要事業

アストラ・インターナショナルの筆頭株主は、ジャーディン・マセソンの子会社であるシンガポールのジャーディン・サイクル・アンド・キャリッジです。

長年、自動車生産と運輸事業が中核事業でしたが、2012年には総売上高の約52％を占めるなど、依然として重要な位置を占めています。しかし、21世紀初頭の輸入市場の開放やASEAN経済共同体への参加に伴い、アストラは事業体制の見直しを迫られています。

2003年には、トヨタとの合弁会社であった自動車生産子会社の株式をほぼすべて売却し、10億ドルの債務返済に充てました。これにより、アストラはインドネシア国内で最大の自動車販売・流通ネットワークという強みを活かし、主力事業に再び注力することになりました。

自動車事業の強み

アストラ・インターナショナルは、トヨタ自動車（インドネシア国内最大の販売ブランド）、プジョー、ダイハツ工業、BMW、いすゞ自動車、日産ディーゼルといった自動車メーカーと独占販売契約を結んでいます。また、ダイハツといすゞの自動車生産も国内で行っているほか、インドネシア国内で最大の販売台数を誇るオートバイメーカー、ホンダとも独占販売・生産契約を締結しています。

多角化する事業ポートフォリオ

自動車ローンをはじめとする金融サービスは、2012年度のグループ全体の売上高の5.4％を占めています。また、農業ビジネスは6.6％、重機生産と木製品生産事業はそれぞれ約2.5％の売上高を占めています。

アストラが展開する事業のほとんどは、インドネシア国内市場に向けたものとなっています。1990年以降、ジャカルタとスラバヤの証券取引所（現在のインドネシア証券取引所）に上場しており、2012年12月31日時点の時価総額は310.5兆IDRに達しています。

海外進出の動き

アストラは海外展開にも積極的で、子会社であるPT Astra Otoparts Tbk (IDX:AUTO)は、PT FSCM Manufacturing Indonesia（40％）とSUNFUN Chain Co. Ltd（60％）との合弁事業として、中国の広州市に事業所を設立しました。2011年12月9日に設立され、投資額は4100万元（約568.5億ルピア）であり、2014年には事業が正式に開始される見込みです。

今後の展望

アストラ・インターナショナルは、インドネシアの経済成長とともに発展を続けています。今後も、国内外での事業拡大を通じて、さらなる成長を目指すと考えられます。

関連項目

トヨタ自動車
アストラ・インシュアランス

外部リンク

Official website
Indonesia Automotive Company
* Indonesian Automotive Community Portal

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