アゼルバイジャン陸軍

アゼルバイジャン陸軍の概要

アゼルバイジャン陸軍は、アゼルバイジャン共和国における主要な陸軍組織であり、1991年に設立されました。設立当初からソ連陸軍の装備を引き継いでおり、戦車などの主要な兵器はロシア製を中心としています。しかし、近年はベラルーシ、トルコ、イスラエル製の装備へと拡充していることが特徴です。2024年の時点では、兵力は約57,800人に達しています。

歴史的背景

アゼルバイジャン陸軍は、ソ連崩壊後、国外からの支援を受けながら急速に構築されました。特に、2020年のナゴルノ・カラバフ紛争では、自軍と敵軍の双方で装甲戦闘車両を含む大規模な損失が生じたことが報告されています。この紛争は、アゼルバイジャン陸軍にとって重要な戦闘経験となり、その後の装備調達や戦術改善に影響を与えています。

組織構成

アゼルバイジャン陸軍は、5つの軍団で構成されており、各軍団には通常5つの旅団が配属されています。特に、ナゴルノ・カラバフ地区に展開される第1、2、3軍団は、地域の安全保障において重要な役割を果たしています。その他の軍団は、首都バクーや沿岸地域、ナヒチェヴァンに展開されており、各軍団は特定の任務に応じて編成されています。

旅団の種類

• - 装甲戦車旅団
• - 自動車化狙撃旅団 (21個)
• - 砲兵旅団 (4個)
• - 多連装ロケット砲旅団
• - 物資・技術保障旅団
• - 対戦車砲連隊 (4個)
• - 特殊任務旅団 (サリヤヌィ)
• - 空挺旅団 (ギャンジャ)
• - 山岳歩兵旅団

主な装備

アゼルバイジャン陸軍の装備は多様であり、各種の陸上戦闘車両、火砲、ロケット弾、対戦車および対空兵器を含んでいます。具体的には、以下のような主要装備が挙げられます。

戦車類

• - T-90S 主力戦車 - 93両
• - T-72A/AV/B/SIM2 主力戦車 - 404両

装甲戦闘車両

• - BMP-1、BMP-2、BMP-3など、様々なタイプの歩兵戦闘車が多数運用されています。

火砲

• - 自走砲：2S19 ムスタ-S や 2S7 ピオンなど、複数の自走砲を保有。
• - 榴弾砲：D-30やD-20などの榴弾砲が幅広く使用されています。

ロケットとミサイル

• - BM-21 グラートなどの多連装ロケットシステムや、対艦・弾道ミサイルも配備されています。

小火器

• - 多種多様な小火器、特にAKシリーズやドラグノフ狙撃銃などが主に装備されています。

総括

アゼルバイジャン陸軍は、ソ連の伝統を引き継ぎながらも、時代に応じた装備の近代化を進めており、その役割は国内外の安全保障環境においてますます重要となっています。テクノロジーの進化に合わせ、装備の質を向上させることが、今後の陸軍の主な課題となるでしょう。

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