アダム・エバレット

ジェフリー・アダム・エバレット（Jeffery Adam Everett, 1977年2月5日 - ）は、アメリカ合衆国ジョージア州オーステル出身の元プロ野球選手です。遊撃手として活躍し、右投右打でした。

少年時代はアトランタ・ブレーブスのファンで、特にブルース・スーターに憧れました。スーターの影響が、彼が野球選手を目指す大きなきっかけになったと語っています。また、オジー・スミスやブレーブスで活躍したラファエル・ラミレス、グレン・ハバードらのプレーにも注目していました。

1995年のMLBドラフトでシカゴ・カブスから4巡目で指名を受けましたが、契約せずにサウスカロライナ大学へ進学。大学在学中にはアメリカ代表にも選出されています。

1998年のMLBドラフトでボストン・レッドソックスから1巡目（全体12位）で指名され、プロ入りを果たしました。

1999年12月14日、同姓のカール・エバレットとの交換要員として、グレッグ・ミラーと共にヒューストン・アストロズへトレードで移籍。

2000年のシドニーオリンピックには、野球アメリカ合衆国代表としてロイ・オズワルトらと共に出場し、金メダルを獲得しました。2001年8月30日にメジャーデビューを果たしています。

2003年、フリオ・ルーゴの不祥事による解雇後、正遊撃手として抜擢されました。2004年、2005年にはポストシーズンを経験しています。

2007年12月13日にFAでミネソタ・ツインズへ移籍。しかし、2008年は右肩痛に悩まされ、故障者リスト入りを繰り返しました。最終的に48試合の出場にとどまりました。

2008年12月16日にデトロイト・タイガースと1年契約を結びました。2009年は118試合に出場し、リーグ最多の15犠打を記録。守備面では肩の故障の影響が見られたものの、リーグ4位のDRS6、リーグ5位のUZR5.7を記録しました。2010年は右投手に対して打率.164と打撃不振に陥り、31試合の出場に終わりました。

2010年12月6日にクリーブランド・インディアンスとマイナー契約を結びました。2011年は開幕メジャー入りを果たし、遊撃手だけでなく二塁手や三塁手としても起用されましたが、6月30日に解雇されました。

現役引退後は、2012年シーズンからインディアンスの特別コーチに就任（2013年まで）。2014年シーズンからはコーチとしてアストロズに復帰し、ベンチコーチや内野コーチを歴任しました。2018年から2019年まで、アトランタ・ブレーブスのマイナー巡回内野コーディネーターを務めました。

選手としての特徴

メジャーリーグでもトップレベルの遊撃守備を誇る選手として評価されていました。堅実な守備に加え、広い守備範囲と強肩を持ち合わせており、セイバーメトリクスの守備指標でも常に高い数値を記録していました。特にプラス・マイナス・システムやUZRにおいては、故障で出場機会が少なかった2007年を除き、常に上位にランクインしていました。

元チームメイトのロイ・オズワルトは、彼の抜群のポジショニングについて「彼は、僕がある特定の球種を投げる時は、投球する前に動き始めている。マウンドの上を越えていく打球を打たれた時に、僕は、これはどうしてもヒットになるなと思う。けれど、次の瞬間、あいつがちょうどその位置に立っているのが見えるんだよ。それでアウトにするんだ」と語っています。

一方、打撃は課題であり、下位打線が定位置でした。三振が多く、四球が少ない傾向にあり、OPSも低い数字でした。守備指標では好成績を残しているにもかかわらず、ゴールドグラブ賞の受賞経験はありません。守備での貢献度が高いにも関わらず、デレク・ジーターがゴールドグラブ賞を連続受賞したこととは対照的でした。

ジェフ・エバレットは、守備の名手として記憶されるべき選手の一人でしょう。

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