オジー・スミス

オスボーン・アール・スミス: プロ野球界の守備の魔法使い

オスボーン・アール・スミス（Osborne Earl Smith）は、1954年12月26日に生まれた元プロ野球選手で、主に内野手として知られています。彼は特にサンディエゴ・パドレスとセントルイス・カージナルスでの活躍で注目を集め、遊撃手としての高い守備力から「オズの魔法使い」と称されていました。スミスは1980年から13年連続でゴールドグラブ賞を受賞し、補殺数8375のメジャーリーグ記録を保持していました。さらには併殺数も1590を記録し、オマー・ビスケルに更新されるまでその数は最多でした。

来歴とキャリア

スミスはロック高校時代にエディ・マレーと同じチームでプレーしていました。1978年にサンディエゴ・パドレスでメジャーリーグデビューを果たしましたが、初期の打撃成績はあまり振るわず、1978年は.258、1979年は.211という成績でした。それでも、彼は守備でその非力さをカバーし、1980年には遊撃手として621の補殺を記録し、自身初のゴールドグラブ賞を受賞しました。この年には57盗塁を記録し、速度もアピールしましたが、打率は未だに.230という状況でした。

1982年にはセントルイス・カージナルスに移籍し、監督のホワイティ・ハーゾグからの期待を受けて内野の中心選手を務めることになりました。移籍初年度には、ワールドシリーズ第2戦で二塁走者として得点し、カージナルスを15年ぶりのワールドチャンピオンに導く重要な役割を果たしました。スミスは守備だけでなく、打撃でも徐々に成績を向上させ、1985年のリーグチャンピオンシップシリーズではサヨナラ本塁打を記録し、評価を一新しています。

その後の成功

1987年には最高の打率となる.303を達成し、「守備だけの選手」という評価を払拭しました。肩の故障に見舞われながらも、彼は独自の練習方法で守備力を維持し、神がかり的なプレーで観客を魅了しました。彼の華麗なプレーの中には、ノーバウンドでのアウトや、ダイビングキャッチなど、驚くべき技術が含まれていました。

1991年には151試合に出場し、失策はわずか8個という安定感を示し、1992年までの13年間連続でゴールドグラブ賞を受賞する記録を打ち立てました。2007年にはオールタイム・ゴールドグラブチームにも選出されています。

引退後と遺産

1996年に現役を引退した後、スミスの通算安打は2460本、580盗塁を記録しました。彼の背番号1はカージナルスで永久欠番に指定されており、2002年には野球殿堂入りも果たしました。さらに、息子のニコ・スミスもシーズン4の『アメリカン・アイドル』でファイナル進出し注目されました。スミスは、カージナルスが出場した2006年ワールドシリーズで国歌斉唱も行っており、家族とともに多くの人々に愛される存在です。

オスボーン・アール・スミスは、巨星のように輝くキャリアと、その守備力から野球史に名を刻んでいる選手の一人です。

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