アッセリアン

アッセリアンについて

アッセリアン（英: Asselian）は、国際層序委員会によって定義された地質時代名の一つで、前期ペルム紀の初期を表す重要な期間です。この期間は、2億9890万年前から2億9352万年前にあたります。アッセリアンは、石炭紀の後期ペンシルバニアン亜紀に続く最初の期であり、次のサクマーリアン期へと繋がります。この命名は、ロシアの南部に流れるアッセル川の周辺地域に由来しています。

層序と発展

アッセリアン期は1954年にロシアの層序学者V・E・ラゼンチェフによって学術論文に初めて導入されました。彼は当時、アーティンスキアンを分割してこの名称を導入しました。この段階ではアーティンスキアンは下部ペルム系の大半を占めていましたが、現在ではその年代はより詳細に特定されています。アッセリアン階の基底層は、シスウラリアン統やペルム系の基底と一致しており、最初にコノドントの一種であるStreptognathodus isolatusが確認された層がこの期間の特徴として挙げられます。国際的な標準模式層断面（GSSP）はカザフスタンのアクトベに位置し、ウラル山脈のアイダララシュ川の谷に記録されています。

日本におけるアッセリアン

日本でもアッセリアン期の地層が確認されています。例えば、大分県臼杵市では下部アッセリアン階の指標種であるSphaeroschwagerina fusiformisや、関連するフズリナのPseudoschwagerina orientaleが発見されています。また、山口県美祢市では、秋吉帯の秋吉石灰岩からアッセリアン階の化石が出土しています。特に、背礁側では化石の数は少ないものの、礁中核部においては外肛動物の化石が広く分布しています。

帝釈石灰岩から発見された情報も注目です。この石灰岩からは、上部アッセリアン階にあたるPseudoschwagerina帯から7属のアンモナイト、さらに上部グゼリアン階から下部アッセリアン階にかけて4属のアンモナイトが記載されています。これにより、アッセリアン階のアンモナイトフォーナが特定され、様々な属が報告されています。

手がかりとなる種は、古テチス区のパミール高原やウラル区、南中国、北極区といった他の地域の生物との共通性が確認されており、アッセリアン期の環境や生物多様性について新たな理解が進みます。例えば、帝釈石灰岩はアッセリアン期にはパンサラッサ海中央の低緯度海域に位置していたことが示唆されています。

特異な化石の発見

他にも、兵庫県篠山地域にある藤岡奥セクションでは、示準化石となるコノドントの化石は確認されませんでしたが、Pseudoalbaillella simplexやParafollicucullus sakumarensisといった放散虫化石が得られています。これらの化石は前期ペルム紀のアッセリアンからクングーリアンにかけての情報を提供しており、当時の海洋生態系についての理解を深める手助けとなります。

アッセリアンは、前期ペルム紀の環境変化や生物の進化過程を考察する重要な時間軸であり、新たな発見がこれからも期待される分野です。

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