アドルフォ・スアレス・マドリード＝バラハス空港

アドルフォ・スアレス・マドリード＝バラハス空港

アドルフォ・スアレス・マドリード＝バラハス空港（Aeropuerto Adolfo Suárez Madrid-Barajas）は、スペインの首都マドリードにある主要な国際空港です。旧称および通称はマドリード＝バラハス空港として知られています。空港コードはIATA: MAD、ICAO: LEMDで、マドリード都心から北東へ約10キロメートルの場所に位置しています。

概要

1931年に開港したこの空港は、南ヨーロッパで最大級の旅客数を誇り、世界でも有数の規模を誇る空港です。2019年には世界の空港旅客数ランキングで22位にランクインしました。特に南米への路線が充実しており、多くの国際便が発着しています。

空港ターミナルは、マドリードのバラハス行政区に位置していますが、その広大な敷地は3050ヘクタールにも及び、アルコベンダス、サン・セバスティアン・デ・ロス・レイエス、パラクエージョス・デ・ハラーマといった複数の行政区にまたがっています。

歴史

建設は1927年に始まり、1931年に完成しました。1933年に最初の商業飛行が行われ、1944年には2つ目の滑走路が完成しました。1954年には、現在のターミナル2にあたる国内線ターミナルが完成し、同時に貨物運航も開始されました。1965年には、空港の所在地名にちなんでマドリード＝バラハス空港と改名されました。

1971年には、ジャンボジェットの運航開始に伴い、現在のターミナル1にあたる国際線ターミナルが開業しました。1974年には、イベリア航空が当空港とバルセロナ間で国際線と国内線を乗り継ぐ便の運用を開始し、現在もそのサービスが継続されています。

1979年7月29日には、空港内で爆弾テロ事件が発生し、5人が死亡、113人が負傷しました。この事件はバスク祖国と自由による犯行とされています。

1982年のワールドカップ開催に合わせ、1980年には現在のターミナル3が開業しました。2000年には、年間利用客数が700万人を超え、3本目の滑走路と新しい管制塔の建設が開始されました。その後、さらに2本の滑走路が建設され、そのうち1本にはオープンパラレルが設置されました。2006年にはターミナル4が新たに開業しました。

2014年の改名

2014年3月26日、空港名は「アドルフォ・スアレス・マドリード＝バラハス空港」に改名されました。この改名は、2014年3月23日に死去したスペイン民主化の立役者であり、民主化移行後の初代首相であるアドルフォ・スアレス・ゴンサーレスの功績を称えるために行われました。

就航航空会社

ターミナル1、2、3は主にスカイチームやスターアライアンスに所属する航空会社が利用しています。ターミナル4は主にワンワールドに所属する航空会社が利用しています。ただし、エア・ヨーロッパは複数のターミナルを利用しているため、就航先のみが記載されています。

市内へのアクセス

空港から市内へのアクセスには、以下の方法があります。

マドリード地下鉄8号線: 中心部のプエルタ・デル・ソルへは2回の乗り換えが必要です。
リムジンバス: アベニーダ・デ・アメリカ方面へのバスが運行されています。
セルカニアス (スペイン国鉄近郊線) C-1線: 2011年9月からは、チャマルティン駅とアトーチャ駅の両中心駅まで乗り換えなしで移動できます。また、プエルタ・デル・ソルへはチャマルティン駅で乗り換えることでアクセス可能です。

事故およびインシデント

過去には、以下のような事故やインシデントが発生しています。

1976年5月9日: イラン帝国空軍輸送機墜落事故
1983年11月27日: アビアンカ航空011便墜落事故
1983年12月7日: マドリード・バラハス空港地上衝突事故
2008年8月20日: スパンエアー5022便離陸失敗事故

関連項目

アドルフォ・スアレス: スペインの政治家であり、2014年に死去。彼の業績を称え、空港名に彼の名前が冠されました。
マドリード＝バラハス空港ピープルムーバー: 2005年より新ターミナル4と新ターミナル4サテライト間を連絡する新交通システムです。

外部リンク

Adolfo Suárez Madrid-Barajas Airport - 空港運営会社Aenaによる公式サイト（英語、スペイン語）

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