アフォンソ・デ・アルブケルケ級通報艦

アフォンソ・デ・アルブケルケ級通報艦は、ポルトガル海軍がかつて保有していた通報艦の艦級です。後にフリゲートに種別変更されました。アフォンソ・デ・アルブケルケとバルトロメウ・ディアスの2隻が建造され、それぞれ1番艦、2番艦として就役しました。

来歴

本級は、ポルトガルが広大な海外領土（ポルトガル海上帝国）を維持するために建造されました。これらの艦は、植民地や保護国を警備し、ポルトガルの権益を保護する役割を担っていました。当初、1931年にイタリアのオデーロ・テルニ・オルランド社に発注されましたが、後にキャンセルされ、イギリスのホーソン・レスリー社に改めて2隻が発注されることになりました。

設計

本級の設計は、外洋での運用を考慮したものでした。船体は、艦首乾舷の高い長船首楼型を採用し、凌波性に優れたクリッパー・バウ式の艦首を備えていました。これにより、荒れた海象条件下でも安定した航行が可能となっていました。

武装は、艦首甲板に12cm（45口径）速射砲が防盾付きの単装砲架で背負い式に2基配置されていました。艦橋は近代的な箱型で、サーチライト探照灯台を載せた三脚式の前部マストと1本煙突がその背後に立っていました。煙突の周囲は艦載艇置き場として利用され、煙突と後部三脚式マストの間は水上機置き場となっていました。水上機はカタパルトではなく、後部マストの基部に付いたクレーンによって水面に下ろされて運用されました。後部マストの後ろで船首楼が終わり、一段下がった後部甲板上には、3番・4番主砲が後向きに背負い式に2基配置されていました。

運用

「アフォンソ・デ・アルブケルケ」は、ポルトガル極東艦隊に配属され、アジア地域におけるポルトガルのプレゼンスを示す役割を担いました。しかし、1961年12月13日、インドのゴア併合作戦において、インド海軍のブラマプトラ級フリゲート「ベトワ」（INS Betwa）とブラックスワン級スループ「カーヴェリ」（INS Cauvery）との間で交戦し、撃沈されました。この海戦は、ポルトガル海上帝国の終焉を象徴する出来事の一つとなりました。

「アフォンソ・デ・アルブケルケ」は、1966年に浮揚された後、解体処分となっています。

参考文献

Alfonso De Albuquerque級スループbartolomeu dias本級についての写真があるページ。
Bartolomeu Dias「バルトロメウ・ディアス」の写真があるページ。

もう一度検索