アフリカ統一機構

アフリカ統一機構：アフリカ統合への歩みと課題

アフリカ統一機構（OAU、Organisation of African Unity、フランス語: Organisation de l'Unité Africaine,OUA）は、1963年5月25日に発足した、アフリカ大陸における国際組織でした。冷戦終結後の2002年7月9日、アフリカ連合へと発展的に解消されました。

OAUの設立は、アフリカ諸国の統一と連帯の促進、国民生活の向上を目指した相互協力の強化、国家主権と領土保全、独立の擁護、新植民地主義との闘いといった崇高な目的を掲げていました。国連憲章と世界[[人権宣言]]を尊重する立場を表明し、汎アフリカ主義を基盤としていました。

発足時の加盟国は30カ国にのぼり、エチオピアのアディスアベバで憲章に調印されました。エチオピア皇帝ハイレ・セラシエ1世、エジプト大統領ガマール・アブドゥル＝ナーセル、ガーナ大統領クワメ・エンクルマといった当時を代表するアフリカの指導者たちがその設立に尽力しました。しかし、OAU設立以前の政治状況を反映し、加盟国はカサブランカ・グループ、ブラザビル・グループ、モンロビア・グループといった複数のグループに大別され、それぞれの思惑や対立が見られました。ハイレ・セラシエ1世の仲裁によって、これらの対立を超えたアフリカ統一機構の設立が実現しました。

OAUは、アフリカ諸国の政治的・経済的発言力の強化、植民地主義からの解放を目的とした、世界最大規模の地域統合組織でした。しかし、冷戦期においては、大国間の思惑や紛争への介入を避けようとする政治的配慮から、戦争や人権侵害問題への対応においては不十分な面もありました。「独裁者クラブ」と揶揄された時期もありましたが、チャド・リビア紛争においては、平和維持活動の一環としてインター・アフリカ軍を派遣するなど、一定の成果も挙げています。

1994年には、アパルトヘイト廃止後の南アフリカ共和国が加盟し、モロッコを除く全てのアフリカ諸国がOAUに参加する体制が整いました。モロッコは、OAU加盟国である西サハラ・アラブ民主共和国の加盟に抗議して1984年に脱退しましたが、2017年にアフリカ連合に再加盟しています。

OAUは、アフリカ統合に向けた重要な一歩となりました。しかし、その活動や成果には、冷戦期の国際情勢やアフリカ諸国の複雑な政治状況が反映されています。OAUの歴史と経験は、その後継組織であるアフリカ連合の活動に大きな影響を与え続けています。アフリカ統一機構の発足から発展的解消までの過程は、アフリカ大陸の歴史を理解する上で欠かせない重要な要素と言えるでしょう。

OAUの設立メンバーには、アルジェリア、アラブ連合共和国、ブルンジ、カメルーン、中央アフリカ、チャド、コンゴ共和国、コンゴ・レオポルドヴィル、ダホメ、エチオピア、ガボン、ガーナ、ギニア、コートジボワール、リベリア、リビア、マダガスカル、マリ、モーリタニア、モロッコ、ニジェール、ナイジェリア、ルワンダ、セネガル、シエラレオネ、ソマリア、スーダン、タンガニーカ、トーゴ、チュニジア、ウガンダ、オートボルタ、ザンジバルなどが含まれていました。その後、ケニア、マラウイ、ザンビア、ガンビア、ボツワナ、レソト、モーリシャス、スワジランド、赤道ギニア、ギニアビサウ、アンゴラ、カーボベルデ、コモロ、モザンビーク、サントメ・プリンシペ、セーシェル、ジブチ、ジンバブエ、西サハラ、ナミビア、エリトリア、南アフリカ共和国などが加盟していきました。

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