アブナー・リード (DD-526)

USS Abner Read (DD-526) の歴史

アブナー・リード (USS Abner Read, DD-526) は、南北戦争で戦ったアブナー・リード中佐の名を受けたアメリカ海軍のフレッチャー級駆逐艦です。この艦は1942年に進水し、1943年に就役しました。艦の始動はサンフランシスコのベスレヘム・スチールで行われ、艦長はT・ブロワーズ中佐が任命されました。

艦歴の始まり

就役後、アブナー・リードはカリフォルニアの水域にて艦の操縦訓練を行います。その後、1943年4月にはアリューシャン方面の任務に配置され、アッツ島近海での哨戒任務が始まりました。アッツ島の戦いでは、艦砲射撃によって第7歩兵師団を支援し、何度か砲撃を行った後に帰艦しました。再度の出港では、アダック島への移動を経て、キスカ島への攻撃作戦に参加しました。

しかし、1943年8月に艦は触雷事故に見舞われ、艦尾が激しく損傷しました。この事故で多くの乗組員が戦死し、艦の航行能力が失われましたが、曳船による応急修理が行われ、戦線復帰を果たすことができました。その後もアブナー・リードはニューギニアやアドミラルティ諸島の戦いに加わり、火力支援として艦砲射撃を行いました。

戦場での活躍

1944年、アブナー・リードは真珠湾へ回航され、ニューギニアの戦闘に参加することになります。多くの戦闘において敵軍に対して砲撃を行い、特にウェワクやワクデ島の戦いでは重要な役割を果たしました。また、レイテ湾での戦闘でも艦は護衛任務を担い、ダグラス・マッカーサー将軍の艦を護衛しました。残念ながら、レイテ湾の戦いでは直接の戦闘に参加することは叶いませんでした。

神風特攻と沈没

1944年11月1日、アブナー・リードは神風特攻による攻撃にさらされました。この攻撃によって艦は重大な打撃を受け、特攻機の突入により艦内で大火災が発生しました。火災を制御できず、最終的に艦尾が沈没し、艦は右に転覆しました。艦員はすぐに退艦を指示され、乗組員の一部は救助の手に渡りましたが、残念ながら23名の命が失われました。

戦後の評価

アブナー・リードは第二次世界大戦中に数多くの戦功を挙げ、4つの従軍星章を受章しました。特攻攻撃の効果を考慮し、今後の兵器開発についての提言も行われました。艦の沈没した場所は近年発見され、その歴史を刻む証人として残されています。艦の物語は、戦争の厳しさと海上戦闘の悲劇を物語るものとなっています。

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