アブロ 748

アブロ 748とは

アブロ 748は、イギリスの航空機メーカー、アブロ社が1950年代後半に開発した短中距離用ターボプロップ双発旅客機です。アブロ社は、イギリスの航空機メーカーの統廃合により、ホーカー・シドレー HS.748、BAe 748とも呼ばれ、ホーカー・シドレー時代には380機が生産されました。その後、BAeでは再設計が行われ、BAe ATPが開発されました。

開発の経緯

1957年、イギリスの国防方針の転換を受け、アブロ社は民間機市場への再参入を決定しました。第二次世界大戦後、世界中で使用されていたDC-3の後継機需要を見込み、地域間小型旅客機の開発に着手、1958年に設計を開始しました。

同時期には、フォッカー社のF27やハンドレイ・ページ社のダートヘラルドも開発されており、競争が激化することが予想されました。アブロ社は、短距離離着陸性能を重視することで差別化を図りました。

1960年6月24日、試作機が初飛行に成功しました。市場への早期投入を目指し、機体価格を抑えるため簡潔な設計が採用されました。量産型は1961年8月30日に初飛行し、1962年に就航しました。最初の納入先はスカイウェイズ・コーチ航空でしたが、その後、アルゼンチン航空に多数が納入されました。その短距離離着陸性能から、中南米諸国を中心に未舗装滑走路や荒れ地での運航に重宝されました。

軍用機としての活躍

アブロ 748は軍用機としても成功を収めました。特にイギリス空軍向けの戦術輸送機型は、HS.780 アンドーヴァーと命名されました。また、インドのヒンドスタン航空機では、HAL-748としてライセンス生産され、89機が製造されました。そのうち72機はインド空軍に配備されました。

最終モデルであるスーパー748の生産終了は1987年であり、約30年近くにわたり生産が続けられました。

エンジンと外観

エンジンには、ロールス・ロイス ダートが使用されています。これは日本のYS-11と同じエンジンであり、機体の大きさを除けば外見も似ています。

運用者

アブロ748は、世界中の航空会社や軍隊で運用されました。

航空会社

Best Air
Bismillah Airlines
Zoom Airways
Cameroon Airlines
Air Creebec
Air Inuit
Air North
Calm Air
First Air
Wasaya Airways
International Trans Air Business
Trans Service Airlift
Comores Aviation
Guinee Air Cargo
Atlantic Airlines de Honduras
Bali Air
Bouraq Indonesian Airlines
メルパチ
748 Air Service
African Commuter Services
ネパール航空
Fred. Olsens Flyselskap
Executive Aerospace
Stars Away Aviation
Aero Lanka
West Air Sweden
Janes Aviation

軍用

オーストラリア：オーストラリア空軍
ベルギー：ベルギー空軍
ベナン
ブラジル
ブルネイ
ブルキナファソ
コロンビア
エクアドル
インド：インド空軍
マダガスカル
ネパール
韓国
スリランカ
タンザニア
タイ
ベネズエラ
ザンビア

要目 (スーパー 748)

乗員: 2-3名
乗客: 40-58名
ペイロード: 5,136 kg
全長: 20.42 m
全幅: 31.23 m
高さ: 7.57 m
翼面積: 77 m2
空虚重量: 12,327 kg
最大離陸重量: 21,092 kg
エンジン: ロールス・ロイス ダート RDa.7 Mk 536-2 ターボプロップ 双発
出力: 2,280 ehp
巡航速度: 452 km/h
最大航続距離: 1,715 km
実用上昇限界: 7,620 m

外部リンク

BAe/HS 748 AEW

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