アベル・グンバ

アベル・ヌゲンデ・グンバ（1926年9月18日 - 2009年5月11日）は、中央アフリカ共和国の政治家です。

生涯

1926年、フランス領ウバンギ・シャリ（現在の中央アフリカ共和国）で生まれました。医師免許を取得後、首都バンギで医師として活動する傍ら、バルテレミー・ボガンダが率いる独立運動に参加し、重要な役割を果たしました。

1957年から1958年にかけて植民地協議会の要職を歴任しましたが、ボガンダの急逝後、ダヴィド・ダッコとの政争に敗れ、野党のリーダーとなります。ダッコによる一党制導入に伴い、1960年から1980年までフランスへの亡命生活を余儀なくされました。

亡命中は世界保健機関（WHO）に勤務し、1970年代にはベナンやルワンダに派遣されました。ルワンダ駐在中に妻アンヌ＝マリーと結婚しています。

1980年、ジャン＝ベデル・ボカサ皇帝が追放されダッコが大統領に復権すると、グンバは大統領選挙実施の約束を受けて中央アフリカに帰国しました。しかし、1981年の大統領選挙での得票率は2%に満たない結果に終わります。同年、アンドレ・コリンバがクーデターを起こし、グンバは1982年に反政府活動の疑いで逮捕されました。

1993年、コリンバ政権が自由選挙実施を約束すると、グンバは再び大統領選挙に立候補しましたが、46%の得票でアンジュ＝フェリクス・パタセに敗れました。1999年の選挙でも立候補しましたが、得票率は6%にとどまり、パタセ、コリンバ、ダッコに次ぐ4位に終わりました。

2003年、フランソワ・ボジゼがクーデターを起こすと、グンバに協力を要請。グンバはこれを受け入れ、首相に就任しました。しかし、この政権はボジゼ派が要職を独占する妥協の産物であり、グンバが提出した基本政策は国家暫定協議会に拒否されました。首相解任後、副大統領に就任しています。

2005年の大統領選挙にも出馬しましたが、2.51%の得票しか得られず落選。選挙後、グンバの所属政党を含む野党は選挙に不正があったと訴えましたが、グンバは副大統領を解任されました。グンバ自身は解任について事前に知らされていなかったと述べています。同時に行われた議会選挙には妻のアンヌ＝マリーが当選しました。

2006年、息子のアレクサンドル・グンバが進歩愛国戦線の党首に就任。2009年5月11日、バンギの病院で82歳で亡くなりました。

グンバは、中央アフリカ共和国の独立と民主化のために生涯を捧げた政治家として記憶されています。

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