アメリカ (汽走コルベット)

アメリカ (汽走コルベット)

「アメリカ」は、19世紀後半のロシア帝国海軍が保有した汽走コルベット艦です。1856年にアメリカ合衆国・ニューヨークで建造され、ロシア海軍のシベリア小艦隊に配備されました。

概要

建造: 1856年、アメリカ・ニューヨーク
所属: ロシア海軍 シベリア小艦隊
排水量: 554トン
推進機関: 140馬力蒸気機関、三檣帆装
推進方式: 外車輪
船体: 全長50.3m、全幅8.6m

アムール川や間宮海峡など、浅瀬での航行を考慮した浅喫水設計が特徴でした。

活躍

1857年、エフィム・プチャーチン海軍中将が座乗し、日本と清国を訪問。日露間の外交交渉に用いられ、10月には日露追加条約、1858年6月には天津条約の締結に貢献しました。

1859年には、東シベリア総督ニコライ・ムラヴィヨフが乗艦し、再び日本と清国を訪問。ロシアと清、ロシアと日本の国境地帯の実情を把握する任務に従事しました。

これらの航海の過程で、後の沿海地方となる日本海沿岸地域の探索が行われ、ナホトカ湾などの港湾に適した場所が発見されました。ナホトカ湾は、1960年代頃まで本艦の艦名にちなんで「アメリカ湾」と呼ばれていました。

関連情報

エフィム・プチャーチン: ロシア帝国の軍人、政治家、外交官。
ニコライ・ムラヴィヨフ＝アムールスキー: 東シベリア総督。アムール川流域の領土拡大に尽力。
ナホトカ: ロシア連邦沿海地方の都市。
ナホトカ湾: 日本海に面する湾。不凍港として重要。

参考文献

原輝行 『ウラジオストク物語』 三省堂、1998年

外部リンク

Америка（ロシア語）

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