アメリカン航空1502便墜落事故

アメリカン航空1502便墜落事故の概要

1961年1月28日、アメリカン航空1502便（ボーイング707-123型機）が、ニューヨーク州モントーク沖の大西洋に墜落しました。この事故で、乗員6名全員が命を落としました。

事故機は、1958年11月に初飛行し、1959年1月にアメリカン航空に納入されたボーイング707-123型機（機体記号：N7502A）でした。プラット・アンド・ホイットニー JT3C-6エンジンを搭載し、当時の価格で約500万ドルでした。

事故発生時の状況

1502便は、午前11時（UTC-4）に快晴のアイドルワイルド空港を離陸し、訓練飛行を行っていました。離陸から57分後には、最後の無線通信が行われました。

午後0時20分（UTC-4）、モントーク・ハイウェイを走行中の男性が、頭上約100フィートの高度を60～70度の降下姿勢で通過する1502便を目撃しました。その際、1502便のエンジンは燃えており、機体は何度も回転した後、直進していたと証言しています。1502便は、左翼を下げた急な姿勢のまま、ナピーグビーチ沖の浅瀬に墜落し、乗員全員が死亡しました。救急隊が現場に駆けつけたところ、機体は広範囲にわたって散乱しており、座席の一部は墜落の衝撃で真っ二つに破損していました。

この事故は、過去2年間にニューヨーク首都圏で発生した最新型ジェット機の事故としては4件目であり、この事故までに合計149人もの命が失われました。この中には、前月に発生し、当時世界最大の航空事故であった1960年ニューヨーク空中衝突事故も含まれています。

事故原因の調査

事故当時、乗員はエンジン停止と再始動、峡谷へのアプローチ、またはエンジンの上昇操作を行っていた可能性が指摘されました。特に、峡谷へのアプローチの手順ではフラップを30度に設定する必要があり、残骸の状態からこの設定であったことが示唆されました。しかし、制御不能に陥った原因を特定するための決定的な証拠は得られませんでした。そのため、FAA（連邦航空局）は公式に事故原因を「原因不明の操縦不能」と推定しています。また、墜落時に2基のエンジンが作動していなかった可能性も考察されましたが、それを明確に証明することはできませんでした。

この事故と、1959年にロングアイランド上空で発生したアメリカン航空のボーイング707型機の訓練飛行中の墜落事故を受け、FAAはすべてのボーイング707の飛行乗務員に対し、同じ翼の2つのエンジンが故障した状態での着陸訓練を義務付けないことを決定しました。

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