アメリカ・ラティーナ・ロジスティカ

アメリカ・ラティーナ・ロジスティカ（ALL）

アメリカ・ラティーナ・ロジスティカ（略称ALL）は、かつてブラジルに拠点を置いていた物流持ち株会社です。この企業は、ブラジルおよびアルゼンチンで鉄道事業を運営し、他の鉄道会社へのリースや港湾作業、マーチャンダイジング、倉庫業などにも携わっていました。本社はブラジル南部のパラナ州クリチバに位置していました。また、隣国のパラグアイでも事業を展開していた時期がありましたが、アルゼンチン政府によって運営権が取り消されたため、2015年にはルーモロジスティカに吸収されることとなりました。

設立と成長の歴史

ALLは、1997年にフェロビア・スル・アトランティコという名称で設立されました。この設立は、ブラジルの連邦鉄道（RFFSA）の民営化が背景になっています。主な営業範囲はブラジル南部で、サンタカタリーナ州およびリオグランデ・ド・スル州の鉄道路線の営業権を獲得しました。1998年には、サンパウロ州で運営を開始し、2001年にはブラジルのロジスティクス企業であるDelara Ltdaを買収し、アルゼンチン、チリ、ウルグアイへのネットワークを広げました。2006年には営業地域をブラジル中部のマットグロッソ州やマットグロッソ・ド・スル州まで拡大しました。

1999年には、アルゼンチンの鉄道会社の株を取得し、企業名をアメリカ・ラティーナ・ロジスティカに変更しました。アルゼンチンの鉄道路線の操業を開始し、ウルキサ将軍鉄道およびサンマルティン将軍鉄道の大半の区間を手にすることとなりました。しかし、2013年にはアルゼンチン政府から契約違反を理由に営業許可を取り消され、最終的に2015年に他社に合併することとなりました。

鉄道路線の詳細

ALLは、主にブラジル連邦鉄道の歴史ある路線を引き継いでおり、南部地域を中心に営業を行っていました。サンパウロ州内には1,600 mmの広軌鉄道が存在し、他は主に1,000 mmのメーターゲージの路線を持っていました。

アルゼンチンの鉄道路線

アルゼンチンでは、アメリカに本社を置く鉄道開発会社（RDC）とアルゼンチン政府が共同で鉄道路線を保有していました。特に、ALLメソポタミカという路線は、イギリスのエントレ・リオス鉄道と東アルゼンチン鉄道によって建設された標準軌の路線として知られ、1999年にALLによって買収されたことが特徴的です。ALLメソポタミカは、広範な網を持ち、過去には旅客列車も運行されていましたが、2013年には保守不良が契約違反となる原因となり、運営権を失いました。

ALLセントラルの経緯

ALLセントラルは、アルゼンチンの広軌鉄道の一部であったブエノスアイレス・アル・パシフィコ鉄道がルーツです。こちらも1999年にALLによって買収され、ALLセントラルの名で知られるようになりました。しかし、前述の通り、やはり2013年に運営権を失い、再国有化されました。

結論

ALLの歴史は、ブラジルとアルゼンチンの鉄道ネットワークの発展において重要な役割を果たしましたが、最終的には政府との不和により運営権を失う結果となりました。ALLの影響は、現在の鉄道事業においても感じられ、鉄道業界の動向を理解するための重要なケーススタディとなっています。

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