アメリカ物語 ファイベルの冒険

『アメリカ物語 ファイベルの冒険』は、1995年に日本のTBS系列局で放送されたテレビアニメーション作品です。このシリーズは、映画『アメリカ物語』の世界観に基づいているとされていますが、テレビシリーズ独自のストーリーが展開されました。アニメーション制作は、ユニバーサル・ピクチャーズが手掛けています。

日本における本放送は、1995年1月7日から同年3月25日までの期間、TBS系列全国ネットで行われました。前番組『ヤマトタケル』から引き続き同じ時間帯で放送された地域が多く見られました。

物語を彩る主要な登場人物とその日本語吹替を担当した声優陣は以下の通りです。

ファイベル: 主人公の小さなネズミ。好奇心旺盛で勇敢な性格。声は岡村明美が担当。
パパ: ファイベルの父親。家族思いで優しいが、少し心配性な一面も。声は高木均が務めました。
ママ: ファイベルの母親。家族を温かく見守る存在。声は麻生美代子。
ターニャ: ファイベルの姉。歌手になることを夢見ています。声は川村万梨阿。
ヤーシャ: ファイベルの妹。幼いながらも存在感を放ちます。声は川田妙子。
タイガー: ファイベルの友人である巨大なトラ猫。心優しく、恐がりな一面も。声は内海賢二。
シュメル: ワニのキャラクター。声は緒方賢一が担当しました。
アナウンサー: 物語の進行に関わるキャラクター。声は真殿光昭。

これらの実力派声優陣が、個性豊かなキャラクターたちに命を吹き込み、作品世界を豊かにしています。

アニメーション制作は、ハリウッドの大手映画会社であるユニバーサル・ピクチャーズが行いました。これにより、作品は国際的なクオリティを備えていました。

『アメリカ物語 ファイベルの冒険』の放送には、いくつかの地域で特筆すべき事例が見られました。特に広島県では、キー局であるTBSと同時期に中国放送（RCC）で放送されましたが、この地域では地元銀行である広島総合銀行（現在はもみじ銀行と合併）が、ファイベルを同行のイメージキャラクターとして積極的に起用していました。そのため、中国放送での放送は、広島総合銀行の一社提供という異例の形態で行われたのです。全国ネットのアニメ番組で、ローカル企業が一社提供となるケースは極めて珍しい事例として記録されています。

また、熊本県でも、肥後銀行がファイベルをイメージキャラクターとして採用していました。かつては「ファイベル通帳」と称されるなど、通帳のデザインにキャラクターの絵柄が使用されていた時期もあったと言われています。熊本県内のTBS系列局である熊本放送（RKK）では、キー局での放送期間から遅れて、1995年10月23日から1996年1月22日まで、毎週月曜日の夕方（17時30分から18時00分）に放送されました。当時の熊本日日新聞の番組欄には、「肥後銀行 アニメ館」という冠が付けられていたことが確認されており、こちらも地域金融機関が番組スポンサーとして深く関わっていたことを示しています。

これらの事例は、『アメリカ物語 ファイベルの冒険』という作品が、単なる全国放送アニメとしてだけでなく、特定の地域においてはキャラクター商品展開やプロモーション活動と連携し、独自の形で視聴者や地域住民に親しまれた側面を持っていたことを物語っています。

作品に関する情報として、アムブリン・エンターテイメントが管理する英語の公式ウェブサイトが存在し、「Fievel's American Tails - About the Show」というページで作品の概要などが紹介されています。

『アメリカ物語 ファイベルの冒険』は、短期間の放送ながら、魅力的なキャラクターとそれを演じた豪華声優陣、そして特に地方におけるユニークなキャラクター活用事例など、多様な側面を持つ作品として日本のテレビアニメ史に足跡を残しています。

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