アメリカ空軍特殊作戦コマンド

アメリカ空軍特殊作戦コマンド (AFSOC)

アメリカ空軍特殊作戦コマンド(Air Force Special Operations Command, AFSOC)は、アメリカ空軍の主要軍団組織であり、アメリカ特殊作戦軍の空軍構成部隊です。部隊管理面では空軍参謀本部からの指示を受けますが、作戦指揮に関しては特殊作戦軍の指揮下にあります。AFSOCは、特殊作戦の専門部隊として、世界中の紛争地域や不安定地域で活動しています。

AFSOCの任務

AFSOCの主要な任務は、特殊作戦の実施です。これには、以下の内容が含まれます。

特殊部隊員の潜入・回収支援: 友軍特殊部隊員を作戦地域へ安全に潜入させ、任務完了後に回収するための支援を行います。ヘリコプターや輸送機を用いた空中支援、地上部隊との連携など、多様な手段を用いて任務を遂行します。
対テロ作戦: テロリストの掃討やテロ行為の阻止を目的とした作戦に参加します。精密な空爆や、特殊部隊員による直接的な攻撃など、状況に応じて柔軟な対応を行います。
偵察・監視・観察: 標的の監視や情報収集を行います。無人機や偵察機などを利用して、敵の動向や戦力を把握し、作戦立案に役立てます。
近接航空支援: 地上部隊への航空支援を行います。攻撃機やヘリコプターを用いて、敵の攻撃を阻止し、地上部隊の戦闘を支援します。
戦闘捜索救難: 撃墜されたパイロットや、敵地に取り残された兵士などの救出を行います。ヘリコプターや特殊部隊員による地上からの救出など、状況に応じて最適な手段を選択します。
心理戦: ラジオ放送やテレビ放送などのメディアを通じて、敵や住民への情報操作や心理的な影響を与えます。敵の士気を低下させたり、住民の協力を得たりする目的で行われます。

AFSOCの歴史

AFSOCの前身は、1983年に設立された第23空軍です。特殊作戦部隊として設立された第23空軍は、1990年5月22日に主要軍団に格上げされ、AFSOCとして再編されました。2008年には、第23空軍がAFSOC傘下に再編されています。

AFSOCは、湾岸戦争で初めて実戦に参加しました。戦闘捜索救難、遠距離偵察、前線航空管制などの任務に携わり、その能力の高さを示しました。その後も、ソマリア内戦やイラク戦争など、数々の作戦に参加し、実績を積んできました。2013年4月4日には、第23空軍が活動停止となりました。

AFSOCの隷下部隊

AFSOCには、多数の航空団、群、飛行隊などが所属しています。主な隷下部隊は以下のとおりです。これらの部隊は、特殊作戦に必要な様々な能力を有し、AFSOC全体の作戦能力を支えています。 例として、第1特殊作戦航空団は戦闘部隊であり、約9000名の人員を擁し、第720特殊戦術群は地上戦闘要員で人員救出や爆撃誘導任務などを行い、第18航空試験飛行隊は特殊部隊用機材の試験・開発を行っています。さらに、空軍予備役部隊や州兵部隊もAFSOCに所属しており、必要に応じて作戦に参加します。 また、アメリカ空軍特殊作戦学校は特殊部隊員や特殊作戦機乗員の教育・訓練を行っています。

AFSOCの航空機

AFSOCは、特殊作戦に適した様々な航空機を運用しています。AC-130Uガンシップは地上攻撃能力に長け、MC-130J コマンドーは特殊任務機として空中給油や低空侵入などを行います。CV-22オスプレイは垂直離着陸が可能な輸送機であり、人員や機材の輸送に活躍しています。EC-130は心理戦用の放送機材を搭載しており、情報戦にも対応します。

関連項目

アメリカ特殊作戦軍
アメリカ陸軍特殊作戦コマンド (USASOC)
アメリカ海軍特殊戦コマンド (USNAVSPECWARCOM)
アメリカ海兵隊特殊作戦コマンド (USMARSOC)

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