タイ中部

タイ中部地方は、タイ王国を構成する地方の一つであり、日本の中国地方や関東地方といった区分と同様に、地方行政体としての法人格は有していません。この地域は、タイの政治、経済、文化の中枢を担っており、首都バンコクがその中心に位置しています。

地理的には、チャオプラヤー川が中央を流れ、肥沃な平野が広がっているため、古くから稲作が盛んに行われてきました。この豊かな土地は、アユタヤ王朝、トンブリー王朝、そして現在のチャクリー王朝といったタイの歴史を彩る王朝を育んできた基盤となっています。

特にチャクリー王朝時代には、運河が発達し、中央部を中心に国内消費を大きく上回る米の生産が可能になりました。これにより、タイは世界有数の米輸出国としての地位を確立し、経済発展の重要な柱となりました。また、この地域は文化の中心地でもあり、一般的に「タイの文化」として認識されるものは、この地方の文化を指すことが多いです。

さらに、タイ中部地方は華人が最も多く居住する地域の一つでもあり、多様な文化が混ざり合う特徴を持っています。

この地方は、その位置づけや地理的特徴から、中央部だけでなく、場合によっては東部や西部にも区分されることがあります。

以下に、タイ中部を構成する県を地域別に示します。

中部

アーントーン県
アユタヤ県
バンコク (※)
チャイナート県
ロッブリー県
ナコーンナーヨック県
ノンタブリー県 (※)
パトゥムターニー県 (※)
サムットプラカーン県 (※)
サラブリー県
シンブリー県

西部

ナコーンパトム県 (※)
サムットサコーン県 (※)
ラーチャブリー県
ペッチャブリー県
プラチュワップキーリーカン県
スパンブリー県
カーンチャナブリー県
サムットソンクラーム県

東部

チャチューンサオ県
チャンタブリー県
チョンブリー県
ラヨーン県
プラーチーンブリー県
サケーオ県
トラート県



※マークが付いている県はバンコク首都圏を示します。

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