アラクリティ (フリゲート)

アラクリティ（F174, HMS Alacrity）

アラクリティはイギリス海軍の21型フリゲートで、フォークランド戦争において重要な役割を果たしました。艦名の「アラクリティ」は、活発さや敏捷性を意味し、その名に恥じぬ活躍を見せました。元々1980年代初頭に建造された本艦は、数度の激しい戦闘を経験し、特にフォークランド戦争において記憶に残る戦果を挙げました。

艦歴

フォークランド戦争での功績

1982年5月11日、アラクリティはアルゼンチンの補給艦「イスラ・デ・ロス・エスタドス」を攻撃し、これを撃沈しました。この出来事は、フォークランド戦争において水上艦同士の唯一の戦闘として記録されており、アラクリティの名をさらに高めることになりました。

フォークランド戦争の早期には、アラクリティは敵の攻撃にさらされる場面もありました。1982年5月1日、ダガー戦闘機による1,000ポンド爆弾の近くに炸裂し、その結果として艦に損傷を受けました。その後、5月10日には「アロー」と共同で209型潜水艦「サン・ルイス」からの雷撃を受けるはめになりましたが、不運にもこの攻撃は失敗に終わりました。

さらに5月25日、アラクリティは輸送艦「アトランティック・コンベアー」がエグゾセ空対艦ミサイルにより沈没する際、その護衛艦の一員として活躍しました。アトランティック・コンベアーの被弾後、アラクリティは迅速に接舷し、消火活動や生存者の救助にあたりました。これにより、多くの命が救われたと言われています。

パキスタン海軍での再就役

フォークランド戦争後、アラクリティは1982年にイギリス海軍を退役しましたが、その後パキスタンに引き渡され、駆逐艦「バダル」として再就役しました。1993年9月のことです。再編成を経て、艦は新たな兵装に生まれ変わり、当時のイギリス艦とは大きく異なる装備を持つことになりました。具体的には、対艦ミサイルとしてハープーンが搭載され、ファランクスCIWS（近接防空システム）が新たに装備されました。これにより、バダルは当時のパキスタン海軍における有力な戦力となりました。

アラクリティの再就役は、他の21型フリゲートの5隻と共に、パキスタン海軍の第25駆逐艦戦隊に配備されることとなりました。

退役

最終的に、アラクリティはパキスタン海軍で2013年に退役しました。約30年の歴史を持つ本艦は、その戦歴とともに数多くの艦艇に影響を与え、海軍の歴史に刻まれる存在となりました。アラクリティの物語は、海軍戦闘艦が持つ生命力とその適応性、そして艦艇に込められた歴史的意義を示す好例であると言えるでしょう。

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