アルチュ・ボラト

アルチュ・ボラト（1490年 - ?）は、ダヤン・ハーンとして知られるバト・モンケの息子の一人です。エル＝ボーラとも呼ばれ、漢文史料では「納力不剌台吉」と記されています。彼は5オトク・ハルハを分封され、「内ハルハ五部」の始祖となりました。

生い立ち

ダヤン・ハーンとその正妻マンドフイ・ハトンの間に生まれた息子であり、ダヤン・ハーンの六男とされています。『蒙古源流』によれば、オチル・ボラトとは双子で生まれたとも記されています。オチル・ボラトとアルチュ・ボラトが生まれる頃、オイラトの襲撃がありましたが、フンギラトのエセレイ大夫、ハチンのジフイ・ダルハン、バルガチンのバヤン・ボケ、アストのバト・ボラトらの助けによって無事逃れ、双子を産むことができたと伝えられています。

内ハルハ五部

アルチュ・ボラトが分封された5オトク・ハルハは、後の内ハルハ五部へと発展しました。内ハルハ五部は、モンゴル東部における有力な勢力として、清朝との関係においても重要な役割を果たしました。

子孫

アルチュ・ボラトの子孫は、内ハルハ五部の各部族において重要な地位を占めました。主な子孫として、以下の人物が挙げられます。

フルハチ・タイジ（虎剌哈台吉）：アルチュ・ボラトの長男
ウバシ：ジャルウト部始祖
シュブハイ (スバハイ)：バアリン部始祖
ハサル・ノヤン：アルチュ・ボラトの次男

アルチュ・ボラトの子孫は、それぞれの部族において勢力を拡大し、モンゴルの歴史に大きな影響を与えました。

参考文献

岡田英弘訳注『蒙古源流』刀水書房、2004年
吉田順一『アルタン・ハーン伝訳注』風間書房、1998年

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