アルネ・津山

アルネ・津山は、岡山県津山市の中心部に位置する地上8階、地下1階建ての複合施設です。地域の賑わい創出と活性化を目的として整備され、商業施設、文化施設、公共施設など、多様な機能を集約しています。吉井川北岸、新魚町商店街の一角に立地し、津山市の顔とも言える存在となっています。

この施設は、津山市が進める「津山市中心市街地活性化基本計画」に基づいた市街地再開発事業の一環として建設されました。1988年（昭和63年）に始まった再開発プロジェクトのうち、高層住宅などが先行して整備された南新座地区や吹屋町地区に続き、「中央街区」にあたるアルネ・津山が1999年（平成11年）4月に最後に開業を迎えました。商業ゾーンと広域交流拠点ゾーンからなるこれらの街区は、利便性の高いペデストリアンデッキによって結ばれています。

アルネ・津山には、地域住民や来街者の多様なニーズに応えるため、様々なテナントや施設が入居しています。主要なものとしては、百貨店の天満屋や個性豊かな専門店が集まる商業エリアがあります。また、文化的な施設として、本格的なコンサートホールであるベルフォーレ津山や、展示会などが開催できる文化展示ホール、カルチャースクール機能を持つ山陽新聞カルチャープラザ、津山まちなかカレッジなどがあります。

さらに、公共的な役割を担う施設も充実しています。津山市立図書館は多くの市民が利用する重要な拠点です。子育てをサポートするまちなか子育て支援拠点「親子ひろば・わくわく」や「一時預かりルーム・にこにこ」も設けられています。このほか、男女共同参画センター「さんさん」や、岡山県の委託事業である「おかやま出会い・結婚サポートセンター」、岡山県警察少年サポートセンターといった行政関連の施設も入居しており、地域住民の生活を多方面から支えています。ビジネスをサポートするサテライトオフィス「コトヤド」や、津山街づくり株式会社の事務所などもこのビル内にあります。

建物の構造は、堅牢な鉄骨鉄筋コンクリート造および鉄骨造です。フロア構成は、地下1階と地上1階から8階までとなっています。地下1階と、地上5階、6階、7階、8階、そして屋上階は駐車場として利用されており、合計750台収容可能な有料駐車場を備えています。商業施設や主要な公共・文化施設は、主に地上1階から5階にかけて配置されています。

特に注目すべき施設の一つに、7階にあるベルフォーレ津山があります。約600席の客席数を持ち、コンサートや舞踏会、映画上映会、講演会など幅広い用途に利用される多目的ホールです。「ベルフォーレ」はフランス語で「美しい森」を意味し、その名の通り「音楽の森」をコンセプトにした内装が特徴です。木立を思わせる列柱や、静かな湖をイメージしたヴァイオレットブルーの客席シートなどが配され、あたかも森の中で音楽を聴いているかのような雰囲気を提供しています。音響設計も徹底されており、残響時間を約1.6秒に固定することで、特にクラシック音楽に適した響きを実現しています。

ベルフォーレ津山の大きな特色は、世界的に評価の高い「世界三大ピアノ」とされる、スタインウェイ、ベーゼンドルファー、ベヒシュタインのグランドピアノをすべて保有している点です。これは、日本国内の公共ホールとしては珍しいケースです。これらの貴重なピアノを活用し、年に一度開催される「世界三大ピアノリレーコンサート」は、プロアマ問わず、年齢に関係なく誰もがこの三大ピアノをホールの舞台で演奏できる貴重な機会として、多くの音楽愛好家に親しまれています。

アルネ・津山へのアクセスは良好です。JR姫新線・津山線の津山駅から徒歩でおよそ5分と、駅からのアクセスに優れています。自動車を利用する場合も、ビル内に大規模な駐車場が完備されているため便利です。

このように、アルネ・津山は、津山市の中心市街地における商業、文化、公共サービスの拠点として、地域社会に多様な機能を提供し、人々の交流と街の活性化に貢献しています。

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